約 1,837,640 件
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/183.html
テッカマンエビル 機体名 テッカマンエビル 全長 2.36m 主武装 テックランサー テッカマン共通武装その1。双方に槍が付いており、接近戦または投擲に使われる。ブレードのランサーと違い二つには分かれないが、十字型に変型させる事が可能。また先端の刃は分離して飛ばせ、ワイヤーで回収できる。 テックワイヤー テッカマン共通武装その2。手首から鋼線を出す。元は投げた、または弾かれたランサーの回収用なのだが、エビルはこれを使って捕縛もやってのけた。テックワイヤーはランサーの先から鋼線を出す。ランサーの先っぽを鋼線に接続、振り回すことも可能。劇中では戦車をスパスパ斬ってた。 ラムショルダー エビルにのみ付けられた武装。主に突進などに使われる。 クラッシュイントルード 装甲を変形させ、体を細くし、高速で体当たりする技。移動にも使われる。 ボルテッカ テッカマン共通武装その3。テックセットした際に生じ、体内に蓄積した反物質粒子『フェルミオン』を加速させ発射する大技。同じテッカマンを消滅されるほどの出力を誇るが、人体に激しいダメージが来るため、テックセット1回につき1発までとされている。また一方向に直線状にしか撃てない弱点もある。 PSY(サイ)ボルテッカ ボルテッカの弱点である一方向直線状、1回1発制限を打開した技。出力、軌道をある程度操り、さらには相手のボルテッカをも吸収してしまう凶悪な技。出力を下げれは連射も可能。 自爆 技とは言いづらいが一応掲載。レイピア、アクスがやったように自分の体内のエネルギーを全てボルテッカに変換して爆発を起こす技。当然使えば死にます。 特殊装備 ― これといったものは無いが、テッカマンの装甲は核弾頭をも防げるほどの強度をもつ 移動可能な地形 空中○、陸地○、水中○、地中× 備考 「テックセッター!」の掛け声で変身したシンヤのテッカマン状態。エビルのテッカマンとしての特性は多目的汎用型。その特性に相応しく、様々な状況にも対処できる。テッカマンとしての能力は他のテッカマンの頭一つ飛びぬけており、高い戦闘能力を誇る。後にブラスター化したブレードに歯が立たなくなった際にはブレードの後を追いブラスター化を果たす。だが元々高い戦闘能力ゆえに、ブラスター化による不必要な進化が肉体が耐えられず肉体組織の崩壊が起きた。
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/319.html
□ 「あら~? ばれちゃったんですの。ほんとはお仕置きするところですけど……。 ま、悩殺出血大サービスで見逃してあげますの。あの仮面のオジサマ、私と近い存在……あの人相手じゃ仕方ないですもの」 少女―――アルフィミィは、楽しげにその声を聞く。 ネビーイームとデビルガンダムとの接続作業を行いつつ、首輪を通して聞こえる会話から箱庭の世界で繰り広げられている戦いを想像する。 そこにはユーゼスという彷徨い人、恋人を救うために修羅となった男テンカワ・アキト、そしてキョウスケ・ナンブがいる。 会いたい……その誰とも。そう思っていたアルフィミィにとってこの戦いは聞き逃すことのできないものだった。 人間。小さくか弱い、そして儚い命。その命を燃やし、戦っている者たち。 結果がどうなるのか、興味があった。誰が生き残るのか、何が起こるのか。 どうやら仮面の男と復讐者は手を組んだようだ。今、協力の代償とされたキョウスケとともに敵と戦っている。 ふと、空間に異常。数時間前にもあった、空間の歪み。 あの時とは違い、極小さなものだ。どうやらその中心はメディウス・ロクス、アルフィミィにも予想外の進化を果たした機体。 そんな機能はなかったはずだが、これもあの機体に搭載されている人工知能が学習した結果なのだろうか? まあこの程度なら進行に支障はきたさない。空間を閉じ、これもお咎めなしと――― 「えっ?」 前触れもなく。何故、と問う間もなく。 ネビーイーム、その下方に位置する木星の形の箱庭へと。 主が、赴いた。 閉じゆく歪み、その隙間へと滑りこむ。……やがて、感知できなくなった。 「そんな……どうしてですの? まだ、最後の一人は決まっておりませんのに……」 わからない。主が何を考えているのか。何故自分に何も言わず、箱庭に降りて行ったのか。 空間の穴は主の意志の総体が通れる大きさではなかったためか、行ったのは主自身の一欠片を切り離したものだ。 だが、欠片とはいえ紛れもない主自身。今の主には少しの余力もないはずなのに、何故? 「どこに……行かれたんですの?」 しかし少女に答えるものはなく――― □ 「はっ……はぁっ……やった。やったんだ、ベガさんの仇を……この手で討ったんだ」 撃墜した敵機を見下ろし、荒い息をつく。 操縦桿から手を離そうとするも、強張った指先は中々動かない。興奮が冷め、ようやくカミーユは冷静になった。 ピンポイントバリアパンチは正確に敵機のコックピットを抉った。生命反応はない―――殺した。 だが、達成感などない。怒りに任せて動いたものの、残ったのはどうしようもない気持ち悪さだけだ。 「なんで……なんでなんだよ。お前にも帰りたい場所があって、大切な人がいたんだろう……?」 落ち着いてみれば、あのパイロットが言っていたことも理解できなくはない。突然こんな戦いに放り込まれれば、錯乱もする。 ベガを殺したことは到底許すことなどできないが、それでも他に方法があったのではないか……そんなことを考える。 と、キョウスケから通信。 「カミーユ、落ち着いたか?」 「……ええ、中尉。すみません、勝手なことをして」 「構わん。お前は結果を出した……それに元はと言えば俺が下手を打ったのが原因だ。お前が気に病むことはない」 「でも」 「責任があるとするなら、俺と。そしてユーゼス、貴様だな」 キョウスケの乗るビルトファルケンは黒い特機へと向き直っている。その様はまるで今にも剣を交えんとする戦士のようだ。 「あの特機は何なのか。乗っていたパイロットはどこにいたのか。どうしてこんな事態が起こったのか。 そして貴様は何をしていたのか……答えてもらうぞ、ユーゼス・ゴッツォ。返答次第ではただでは済まさん」 キョウスケの声は静かながらも言い逃れを許さない剣呑さを帯びている。 自分もユーゼスは信用できない。ここはキョウスケの話を聞くべきだ。 もし、やつが想像通りの邪悪なら……再び、この機体を駆けさせることになる。ユーゼスの動き、欠片も見落とすまいと集中する。 「答えよう、キョウスケ・ナンブ。ただし」 響いた声は黒い特機からではなかった。 発信源……眼下のローズセラヴィー。ユーゼスは黒い特機に乗っているんじゃなかったのか。 カメラを向ければ、映像ははっきりとローズセラヴィーのコックピットハッチに立つユーゼスを映し出している。 一瞬。カミーユ、キョウスケともに注意がブラックゲッターから逸れた―――その刹那。 「がッ……!?」 鋼鉄の隼・ビルトファルケンを、復讐鬼・ブラックゲッターの斧が斬り裂いた。 「え……何を。何を、して、るん、だ……?」 キョウスケの苦悶。弾け飛ぶファルケン。 ブラックゲッターはその勢いのまま、今度はカミーユへと向かってくる。 「君が、それまで生き残っていれば、だが」 「キョウスケ中尉……キョウスケ中尉――――――ッ!」 落ちていくビルトファルケン。だが、その後を追えるほどの余裕を、斧を振りかぶるブラックゲッターは与えてはくれなかった。 □ 「……が、あ……」 目を開くと、とたんに何故目を開けたのかと後悔した。 視界いっぱいに広がる赤。体のそこかしこに突き立つ鋭い破片。 「……幸運は、二度も、続かんか……」 すべての始まりといえるシャトル事故を思い出す。エクセレンが死亡し、己は瀕死の重傷、だが生き残った事件。 「やったのは、ユーゼス……いや、おそらくはあの男、か。つくづく……甘いな。俺と、いう男は」 ビルトファルケンは辛うじてまだ空にある。だが、肝心の中身が……キョウスケは、もはや牙の折れた手負いの狼だ。 あのとき機体を襲った衝撃はコックピットの中を跳ね回り無数の飛礫と化してキョウスケを襲った。 致命傷だ。 モニターを見やれば、消去法で考えれば恐らくアキトが搭乗しているだろうブラックゲッターとカミーユの戦闘機が、激しいドッグファイトを演じている。 先程の人事不省寸前といった体からは考えられない鋭い動き。あの薬のおかげだろうか? 援護しようにも、腕がどうしようもなく重い―――操縦桿を引くことにさえ、凄まじい重さを感じる。 どうしようもない……いや。 薬。あの薬なら一錠持っている。念のためにアキトから奪っておいた一錠を。 得体のしれない薬、普段なら飲むはずなどないが――― (俺が蒔いた種だ。俺が刈り取らねば……な) 鉛のような腕をどうにか動かし、躊躇いなくカプセルを飲み下す。 どくん、と。 体の奥で何かが脈動した。 (痛み止め……ではない!? なんだ、この薬は……!) 凄まじい熱。次いで氷のような冷気。自分という存在が、浸食されていく。 「ぐ……がああああああっ!」 頭の中で激しく火花が散る。影、霧のような、何かが、見える―――これは。 時間が止まる。近づいてくるのは――― 視界が黒に染まる。おぞましくも懐かしい、この気配。 (捕らえた……ぞ) 首輪から、いや首輪の赤い球体から脳裏に直接声が響く。知っている、この声は。 (ようやく……届いた。我が……声が……) 「この……声、貴様はッ……!」 かつて打ち破り、そして今また己が運命を操ろうとする存在、ノイ・レジセイア。 撃ち貫くと誓った存在が、ここにいる。キョウスケのすぐ傍に。 (……お前こそ……ふさわしい。審判の……存在……) 「何を……言っている。俺に、何の用だ……!」 (お前は……またも、生き延びた。そして、我を受け入れるに、足る……器を、手に入れた……) 「受け入れる、器……? 俺を、支配しようというのか―――エクセレンのようにッ!」 (拒むことは……できない。お前は、選んだ……人でなくなる……ことを。我に……近い存在と、なる……ことを。だから、我と……繋がる、ことが……できる) あの薬。危険なものだとは覚悟していたが、まさかここまでのものだったとは予想していなかった。 キョウスケは知らぬことだが、件の薬一つ飲んだだけで人でなくなるということはない。 薬の正体は希釈されたDG細胞。アキトのように身体に欠落する箇所があるものが服用すれば、DG細胞はそこを補うように展開する。 対して健常者が使えば、DG細胞は拡散する場のないまま沈殿する。そして感染力の弱められたそれは、時間とともに体内の免疫細胞によって駆逐される運命にある。 キョウスケの不運は、体力の低下した状態で薬を服用したこと。 結果、普段なら駆逐されるべきDG細胞がさしたる抵抗もなく体内に行き渡ってしまった。 そして、宝玉から放たれるノイ・レジセイアの波動。意志を持たないDG細胞に指令を下し、その働きを統制するもの。 キョウスケの体の支配権は急速に奪われつつあった。 下手を打った―――後悔が頭をかすめ、だが同時に、どこか奇妙なほど冷静な内面の己が叫ぶ。 ―――ここが勝負所だ、と。 手の届かないところにいた主催者が、降りてきた。それも手の届くどころではない、己の内面という極めて近く……限りなく遠い場所に。 何故人間たるキョウスケの身の内に降りるのか。アルフィミィの気まぐれか、あるいはそれほど差し迫った理由があるのか――― どちらにせよ、好機。 かつてエクセレンがそうであったように、アインストとなった自分が突破口となる―――この箱庭の戦いの。 賭けに負け、自分が自分でなくなったとしても……止める力はある。かつての仲間たちと同じ、信頼できる力が。 「くくっ……ああ、いいだろう……この身体、存分に貪るがいい。だが、もし貴様が俺を、人間を、取るに足りない存在だと驕っているのなら」 不思議なことに、微かに楽しくなってきた。 そう、キョウスケ・ナンブという人間を端的に表すのなら一文で済む。 ―――分の悪い賭けは嫌いじゃない。 「遠くない未来……貴様は再び打ち砕かれる。 この牙を貴様の喉笛に突き立て、その存在を欠片一つ残さず消し去ってみせる。今度こそ、完全にな」 言葉を切ると同時、気配が遠ざかり、首輪の球体から赤い、まるで血のような靄が吹き出し体を覆う。 落ちていく鋼鉄の隼。その先に眠るは、相棒たる鋼鉄の孤狼。 「フッ……そうだな、お前がいなければ始まらんな―――アルト。付き合ってくれ、地獄の底のさらに下、俺の、最後の戦場へ……!」 鋼鉄の系譜……ともにつがいを失ったものが、互いに互いを抱擁する。これが始まり―――キョウスケは目を閉じた。 □ 「テンカワ、といったか。目的は果たしただろう、ここは退くぞ」 「……俺としては、この機体もここで仕留めたいのだがな。退く理由はない」 可変戦闘機……おそらくYF-21と同じバルキリーであろう機体と干戈を交えていると、ユーゼスが通信してきた。 あの化け物のような機体からだ。横目で見やると、驚くべきことにあれだけの攻撃を受けてもあの機体は健在だった。 とはいえパイロットはさすがに死亡したようだ。 仮面の男が抉り取られたコックピットから何かを引きずり出し、放り投げるのが見えた。 どうも人体のパーツであると思わしきそれらは大地に叩きつけられ、粉々になった。 「仕留められるのならそれもいいが、何があったか私にも把握し切れてはいない。 君の位置からも見えるだろう? ファルケンがアルトと未知の反応を起こしている。 墜落したキョウスケ・ナンブがなんらかの変化をもたらした公算が大きい。現時点では交戦を控えるのが賢明だ」 見れば、墜落したキョウスケの機体はアルトと溶け合っていくように見える。 まさか斧の一撃で機体が融解するほどの熱量が発生するわけもない。何かが起こっているのは疑いのないことだった。 アルフィミィからアルトを譲り受けた時のように、いささか信じがたいものであったが。 「だが、こちらは二機だ。どうであれ押し切れるのではないか?」 「君が健常ならな。ああ、言ってなかったがブラックゲッターの中はモニターさせてもらっていたよ。 大事そうに抱えてきたあの薬は劇薬のようだが、確証はあるのかね? 効果が切れるまでにあれとその戦闘機を倒せると」 「……ないな。だが薬にも限りがある。一つ使ってしまった以上、おいそれと引くわけにはいかん」 ユーゼスの抜け目のなさというより自分の不用心さに憤る。薬のことを知られたのは痛い。 「その点は問題ない。サンプルさえあるなら今のAI1はどんな薬だろうと量産が可能だ。 もちろん、君が私に貴重な薬を一つ預けてくれるなら、という条件付きではあるが」 「何が狙いだ、貴様。俺が優勝を狙っているのは知っているだろう」 「さあ、どうせ何を言っても君は信じはしまい? だからこうとだけ言っておこう。『どちらでも構わん』と」 「……どういう意味だ」 「何、そのままさ。君が私を信じようと信じまいと、どちらでもいい。 信じないのならここで別れるだけだし、信じるのならそれなりの見返りは約束しよう。どのみち最後は戦うことになるのだろうしな」 「条件付きの同盟というわけか」 「そうとってもらって構わん。……おっと、これ以上言葉遊びに時間を費やすのもいかんな。さあ、選びたまえ。私とともに来るか否か」 「……いいだろう。俺からの条件は薬と情報だ。それを満たすのなら貴様の指示に従ってやる。 ただし、残り5人あたりになれば手を切らせてもらうがな」 「ふむ……交渉成立だな。では行こうか」 戦闘機もアルトの変化に気づいたようだ。パイロット―――キョウスケの名を叫びつつ距離を取り、旋回している。 といってもこちらに隙を見せているわけでもないが、少なくとも注意は向けられていない。離脱するのは容易かった。 戦域を離れ、ある程度距離を置いたところで語りかける。 「で、どこへ向かう。基地に向かってくるやつはいるはずだ。そいつらを狙うのか?」 「さしあたっては別の施設だな。君の薬のこともある。研究所などがあればいいのだが」 「施設……それなら心当たりがある。と言っても、問題はあるが」 「ほう?」 「戦艦を二隻、確認している。一隻は戦いに乗っていて、もう一隻は不明だ。俺としては……後者、ナデシコを探すことを薦める。あれならば研究設備も充実しているからな」 「ほう……勝手知ったる口ぶりだな?」 「……貴様には関係ない」 「フ、まあいい。では当面そのナデシコなる艦との接触を目標としよう」 「もう一つ、言っておくことがある。どうせ知られることだから言っておくが、この薬は30分しか持続しない。 あと数分で俺は動けなくなる。その間、貴様が俺を撃たない保証はあるか?」 「副作用……か。安心したまえ、ここで君を切り捨てはせん。この機体、『ゼスト』も今は戦闘を行える状態ではない。 君が薬を必要とするように、私も護衛を必要としている。利害が一致している間は守り、守られ合う関係であろうではないか」 「貴様を信用することはしない……だが今はその言葉、乗ってやる」 「何よりだ。しばしの間、よろしくな……共犯者よ」 共犯者。仲間、相棒などと称されるよりよほど合っていると思った。 どうせ目的を果たすまでの仮初の同盟。いずれ殺す相手に必要以上に気を許してはいけない。 特にこの仮面の男は底が知れない。迂闊な隙は見せられない。 ……不意に、自分が討った男を思い出す。 ユリカを失った自分と、まるで鏡に映したような境遇の男。違うとすれば悪魔の誘いに乗ったかどうか。 内心はどうあれ、あの男は自分を助けた。だがその返礼として自分は彼を背中から斬った。 後悔はないものの、胸が痛まないということはない。 しかし、何故か悪寒が消えない。戦斧は確実にコックピットを切り裂いた、それはたしか。 なのにあの紅い機体は狙ったようにアルトアイゼン、己が放置した機体のすぐ傍に落ち、融合を始めたのだ。 傍目にも尋常な様子ではなかったが、はたしてあの変化の内部にいた男は無事なのか。 万が一無事だったとして……その時キョウスケは、もはやアキトを保護すべき対象としては見ないだろう。 次に会ったときはその身を喰らい合うことになる、それは確実だ。 ガウルンともまた違う、奇妙な縁ができた。影と戦うようなものだ、とおかしさがこみ上げる。 (キョウスケ・ナンブ。許しを請うつもりはない……だから、俺の前にお前が立ちふさがるのなら、何度でも) 決意は変わらない。何よりも重いのは、ユリカの命だ。訪れ始めた禁断症状に身を任せながら、強くその覚悟を確かめる。 (そう、何度でも撃ち砕く。戻る気はない……これが俺の、俺にできる唯一の……贖罪なのだから) □ 通信を切る。宣言通り失神したらしい男から直前に譲渡された操縦権を用いて、ブラックゲッターにメディウス・ロクスを抱えさせる。 どうやら主催者は機体を支給する際手を加えたらしく、オートパイロット・自動操縦プログラムなどは使えないようだった。 先のローズセラヴィーにしても、直前で自動操縦プログラムにエラーが発生し、管制塔から慌てて走るはめになった。 あの場をキョウスケに目撃されていればまた違った結果になっていただろうと、冷や汗を拭う。 その制約がなければAI1を用いてブラックゲッターを操縦し、テンカワ・アキトを切り捨てることもできたのだが、ざっと調べた限り手の打ちようがなかった。 どうやら機械的な問題ではなく、異質な技術……アインストの力が用いられているようだ。未知の技術に策もなしに踏み込むのは躊躇われた。 まあ仕方ない。排除することができないのなら、利用することを考える。 この男、テンカワ・アキト。 先程の動きをみるに、腕は確か。そしてあの割り切った態度、道行きを共にするには申し分ない。 だが……失望した。この男は己を滅する敵たり得ない。 この男にはキョウスケ・ナンブほどの信念を感じない。おそらくは優勝すれば望みが叶うという口車を信じたのだろう。 だがその望みがかなう保証はどこにもない。己が主催者の立場なら、今頃さぞ口角を吊り上げているだろう―――哀れな道化。 自ら勝ち取る道を選ばず、ただ与えられるものを享受する……そんな輩に興味などない。 しばらくは協力するが、メディウス・ロクスが再生しAI1が問題なく稼働するようになればいつでも切り捨てる、仮面の魔人にとって黒き復讐者はその程度のものだった。 薬の供給量や成分に手を加えれば、手駒として操ることもできるが……後の楽しみだ。護衛が必要なことは事実であるし、今はこの同盟を切るわけにはいかない。 また、基地を放棄したのも些事だ。 大方の解析は済んでいて、そのデータはこの頭脳の中にある。あとはある程度の設備があれば首輪の解除は可能。 ベガは……惜しいことをした。彼女にはまだまだ有用性はあったのだが、まあ仕方ないことだ。 カミーユ・ビダン。これもまた、些事だ。賢しいだけの子供などいくらでもあしらえる。 当面はナデシコなる戦艦を探しつつ、首輪とバーニィが遺した戦闘データを解析する。 これでAI1はまた成長できる。あの半端者も、最後の最後で少しは役に立ってくれた。 それよりも、思考を占めるのはキョウスケ・ナンブのこと。 アキトの一撃はたしかにやつに致命傷を与えたはず。だが、この背筋に残る怖気は何なのだろうか。 死んではいない―――そんな予感が頭から離れない。 あの男の操縦技術、決断力はたしかに目を見張るものがあった。 しかしそれだけではこの状況を説明できない。撃墜し、沈黙したと判断したその瞬間、あの得体のしれない気配は生まれた。 念動能力者でもサイコドライバーでもないキョウスケ・ナンブとただのパーソナルトルーパーでは成し得ない事態。 要因として考えられるのは、メディウス・ロクスが仕掛けたヘブン・アクセレレイションだ。 あれは一瞬、確かに次元に穴を開いた。そしてあの向こうにはアインストの支配する空間があった。 バーニィ如き未熟者でなく自身が乗っていたなら正確に観測できていただろうが、是非もないことだ。 とにかくあの一瞬、アインストの空間から何かが「紛れ込んだ」のだ、この世界に。 キョウスケ・ナンブの話では、彼は主催者の化け物と浅からぬ因縁があるという。 主催者がキョウスケを死なせないために行動したということだろうか。 だが解せないのは何故時間をおいてあの気配は発現したのか。 キョウスケ・ナンブが何らかのアクションを起こした―――何を? だがその答えは現状では導き出せない。 ともかく、生死が確認できていないのなら、やつは生きているとして扱うべきだ。 そして生きているならあの男は今度こそ向かってくる、必滅の決意とともに。 ぶるり―――と、我知らず肌が泡立った。愛しき宿敵以外にこんな感情を持つのはいつ以来だ? まったく、退屈しないな、この世界は―――哄笑を抑えきれず、身を反らす。 いいだろう、来るがいいキョウスケ・ナンブ。私は逃げも隠れもせん。 お前の牙がこの身に届くと信じているなら……喜んで相手をしてやろう。 己が映し身のように、彼に導かれたサンプル達のように。「力」を、更なる力でねじ伏せることで。 「その意志が、その熱が―――私を遥か超神の高みへと、押し上げるのだからなぁ―――!」 □ 「キョウスケ中尉! 応答して下さい、キョウスケ中尉!」 ニュータイプの感性に頼るまでもなく、わかる。 今、キョウスケ・ナンブという男は変わりつつある。 寡黙だが信頼できる男の発する気配は、時を追うごとに歪んだ何かへとすり替わっていく。 「……カ、ミ……ユ。き……える、か……」 「キョウスケ中尉! 無事なんですか!?」 「……いい、か、よく、聞け。ユー……ゼスは、危険だ……。奴と、もう、一人。テン、カワ……アキトという、男……こいつらは、危険だ……躊躇う、な、倒せ」 聞こえてきたのは己のことではなく、敵のこと。まるで、仲間に後を託して逝く戦士の声。 「あなたは……何を言ってるんです! すぐに救助します、もう喋らないで下さい!」 「聞け……ッ! 俺は、もう……長くは、持たん……。エクセレンの時と、同じことが……時間が、ない。不本意、だが……お前に、託す。聞くんだ……」 「そんな勝手なことを……!」 強引にでもコックピットから引きずり出して……そうしようとした瞬間、眼前の異常に目が奪われる。 ビルトファルケンの鋭角なシルエットが崩れる。下敷きとしていた蒼い機体と溶け合っていくように、一つになって。 真紅と、深蒼が、混じり合う。 「俺は、かつてあの、化け物……ノイ・レジセイア……を、撃破、した。やつが何故、蘇ったのかは……知らんが、決して、倒せ、ない存在では……ない」 何かが、生まれる。存在してはいけない何かが。 だがその渦中の男は構わず喋り続ける。かつてあった戦い、その結末を。 そしてこの世界であった、新たな戦いを。 「カミーユ……力を、集めろ。お前……だけでは、足りん……もっと多くの、強く、激しい力、で……今度こそ、やつの、存在……を、消し去る……ん、だ」 「中尉……ッ!」 「力が……集ったのなら、……カミーユ。まず、俺を……殺しに、来い。 他の誰でもない……お前が、だ。俺の声を聞いた、お前が……俺を、止めろ」 「何を、言ってるんです、中尉? どうして俺があなたを殺さなきゃならないんですか!?」 「俺は……やつらと、同じ……存在に……アインストに、なる。 だが、恐らく……ユーゼス・ゴッツォ、あの男……は、それ……さえも、利用……しようと、する、だろう。 だから、その前に、お前が……俺を殺せ。あの男の……良い様に、踊らされるなど……真っ平だから、な」 「俺に、あなたと同じことをしろって言うんですか!? ゼクスさんやカズイを殺した、あなたと……!」 「ゼクス……、そうか、やつも……こんな気分、だった……のかも、しれん、な……お前には、重いものを、背負わ、せる……すまん、な」 不意に、水音。大量の水をぶちまけたような。狭いコックピットで考えられるものなど、一つしかない―――血だ。 「もう……行け。そろそろ、限界……俺が、俺でいられるのは……ここまでの、ようだ……」 「中尉、俺は……俺は……ッ!」 「……行けッ! カミーユ・ビダンッ!」 もう口を開くことさえ辛いはずなのに、その一喝はカミーユを怯ませる。 「ま……待って下さい、俺はまだ、あなたに……ッ!」 「ベガはお前を守って……死んだのだろうッ! その命、もはやお前の勝手で容易く捨てられるものではないぞ! 生きろ……戦え、カミーユ! お前が生きて、やつらを討てば……それが、俺達の勝利だッ……!」 「……中尉」 と、もはや形も定かではないビルトファルケンの腕が伸びる。携えていたオクスタン・ライフルを、こちらに放り投げた。 「これを……使え。 ……勝て、カミーユ。お前には……力がある。想いを、強さへと変える、ことが……できる、力が。俺の……命。持って、行け……」 「あ……お、俺は……!」 「行け……カミーユ。死ぬな、よ……」 やがて、真紅が駆逐され、深蒼が湧き出でる。 二機の影は一つになった。 ―――蒼い、アルトアイゼンに。 「……ッ、……う、あッ……あ、うぁぁあああああああああああァァッッ!」 ライフルを拾い上げ、ファイター形態へと変形。変わっていくビルトファルケン……否、もはや隼でも古い鉄でもない機体から、「逃げる」。全速で、振り返らず。 (俺は……俺は……ッ! 守ってもらうばかりで、あの人たちに何も……何も!) 「ちくしょおおおおおおおおおおおおおおおおッッ!」 もう背中を守ってくれたキョウスケはいない。隣で支えてくれたベガも、前に立って導いてくれたクワトロも。 危険と、邪悪と知りながらユーゼスを放置した、その自らの甘さが招いた惨劇―――ベガと、キョウスケが代わりにそのツケを払った。 クワトロとは出会うことなく死に別れた。すべてが遅すぎたのだ。 後悔、怒り、悲しみ、憎しみ。そのすべてが混沌となり、だが皮肉にも身体を突き動かす力へと変わっていく。 貫くもの、「槍」を模したライフル。キョウスケから託されたこの力、この想いで。 「やってやるさ、やればいいんでしょうッ! ユーゼスも、アキトってやつも、あの化け物も……そしてキョウスケ中尉、あなたも! 俺が……俺が、全て倒すッ! あなたの望み通りに……あなたを、ベガさんを、クワトロ大尉を―――勝利させるために……ッ!」 身体の奥に、熱い―――熱い、炎が灯る。すべてを灼き尽くす、根源の力。 今、この荒ぶる熱とともに誓うべき言葉は、ただ一つ。そう――― 「すべて……撃ち貫いてみせる……!」 【カミーユ・ビダン 搭乗機体:VF-22S・SボーゲルⅡ(マクロス7) パイロット状況:強い怒り、悲しみ。ニュータイプ能力拡大中。精神が極度に不安定 機体状況:オクスタン・ライフル所持 反応弾-残弾0 EN残量・火器群残弾ともに10% 現在位置:G-5 第一行動方針:対主催戦力と接触し、仲間を集める 第二行動方針:ユーゼス、アキト、キョウスケを「撃ち貫く」 第三行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 最終行動方針:アインストをすべて消滅させる 備考1:キョウスケから主催者の情報を得、また彼がアインスト化したことを認識 備考2:NT能力は原作終盤のように増大し続けている状態 備考3:オクスタン・ライフルは本来はビルトファルケンの兵装だが、該当機が消滅したので以後の所有権はその所持機に移行。補給も可能】 【テンカワ・アキト 搭乗機体:ブラックゲッター パイロット状態:マーダー化、五感が不明瞭、疲労状態 薬の副作用中・残り1時間 機体状態:全身の装甲に損傷、ゲッター線炉心破損(補給不可) 現在位置:F-7北東部 第一行動方針:ナデシコの捜索(とりあえず前回の接触地点であるD-7へ) 第二行動方針:ガウルンの首を取る 第三行動方針:キョウスケが現れるのなら何度でも殺す 最終行動方針:ユリカを生き返らせる 備考1:首輪の爆破条件に"ボソンジャンプの使用"が追加。 備考2:謎の薬を3錠所持 備考3:炉心を修復しなければゲッタービームは使用不可 備考4:ゲッタートマホークを所持】 【ユーゼス・ゴッツォ 搭乗機体:メディウス・ロクス パイロット状態:若干の疲れ 機体状態:全身の装甲に損傷、両腕・両脚部欠落。EN残量20%。コックピット半壊、自己再生中 現在位置:F-7北東部 第一行動方針:ナデシコの捜索、AI1のデータ解析 第二行動方針:首輪の解除 第三行動方針:サイバスターとの接触 第四行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 第五行動方針:キョウスケにわずかな期待。来てほしい? 最終行動方針:主催者の超技術を奪い、神への階段を上る 備考1:アインストに関する情報を手に入れました 備考2:首輪の残骸を所持(六割程度) 備考3:DG細胞のサンプルを所持 備考4:機体の制御はAI1が行っているので、コックピットが完全に再生するまで戦闘不能】 【メリクリウス(新機動戦記ガンダムW) 機体状況:??? 現在位置:G-6基地内部】 【月のローズセラヴィー(冥王計画ゼオライマー) 機体状況:右半身大破、月の子全機大破、EN残量0 現在位置:G-6基地】 【バーナード・ワイズマン 搭乗機体:なし パイロット状態:死亡】 【残り21人】 【二日目 7 55】 □ (行った……か。まったく……世話の焼ける……) もはや声が出ているかも定かではない。 だが不思議とキョウスケに恐怖や後悔といった感情はなかった。 (エクセレン……遅くなって済まないが、まだお前のところには行けないようだ……) 意識は朦朧としているのに、感覚が広がっていく。機体に神経が繋がるような…… これはそう、アルト。いや、ゲシュペンストMkⅢという方が正しいか。アルトは蒼くはないものな……と、かすかに笑みがこぼれた。 (気がかりはユーゼスとあの男……手の内をすべて見せたわけでもあるまい。まだ何か企んでいるか……) そして、主催者。アルフィミィにノイ・レジセイア。問題は山積みだ。 (……だが、勝つのは俺たちだ。ノイ・レジセイア、何をしようと貴様の滅びは決まっている。俺達を敵に回した時から、な) 意識が消えるその刹那。彼女が、笑った気がした。 『ほんと、分の悪い賭けが好きねぇ』 (フン、何とでも言え……見ていろ、あいつは来る。俺を……撃ち貫き、この闘争の世界を、破壊するために。 俺の命をチップにしたんだ、それくらいの配当がなければ釣り合わん……なあ、そう……だろう―――カミー、ユ―――) 勝て―――その意志を残し。 ―――そして、「キョウスケ」が沈んでゆく――― □ 静寂の……世界。創らねばならない…… 望まぬ……者を……望まぬ……世界を……破壊しなければならない…… 人間……これこそが……この、身体こそが…… 試す……そう、試さねば……この器が、新たな、宇宙を……創るに足る、ものか…… すべて……消去する。我の前に……立ちふさがる、者は…… ――――――すべて、撃ち貫くのみ―――――― 【キョウスケ・ナンブ 搭乗機体:ゲシュペンストMkⅢ(スーパーロボット大戦 OG2) パイロット状況:ノイ・レジセイアの欠片が憑依、アインスト化 。DG細胞感染 機体状況:アインスト化。 現在位置:G-6基地跡地 第一行動方針:すべての存在を撃ち貫く 第二行動方針:――――――――――――――――――――カミーユ、俺を……。 最終行動方針:??? 備考1:機体・パイロットともにアインスト化。 備考2:ゲシュペンストMkⅢの基本武装はアルトアイゼンとほぼ同一。 ただしアインスト化したため全般的にスペックアップ・強力な自己再生能力が付与。 ビルトファルケンがベースのため飛行可能(TBSの使用は不可)。 実弾装備はアインストの生体部品で生成可能。 胸部中央に赤い宝玉が出現】 【アルフィミィ 搭乗機体:デビルガンダム(機動武闘伝Gガンダム) パイロット状況:良好 軽い混乱 機体状況:良好 現在位置:ネビーイーム 第一行動方針:バトルロワイアルの進行 最終行動方針:バトルロワイアルの完遂】 BACK NEXT 風と雷 投下順 生き残る罪 選択のない選択肢 SIDE:A選択のない選択肢 SIDE:B 時系列順 適材適所 BACK 登場キャラ NEXT 家路の幻像 ユーゼス 最後まで掴みたいもの 家路の幻像 アキト 最後まで掴みたいもの 家路の幻像 カミーユ 獲物の旅 家路の幻像 キョウスケ 生き残る罪 家路の幻像 バーニィ 古よりの監査者 アルフィミィ 揺れる心の錬金術師 古よりの監査者 ノイ・レジセイア
https://w.atwiki.jp/gamematomewiki/pages/22.html
第2次スーパーロボット大戦Z 破界篇 まとめwiki(お勧め★★★) 2chまとめWIKIです。シナリオ攻略、機体データ等一通りまとまっています。隠し要素も網羅。
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/143.html
未知との遭遇 ◆C0vluWr0so 暗い森の中――二機と一機は移動を続けていた。 ユーゼス・ゴッツォ、ベガ、カミーユ・ビダンの三人である。 飛行可能なバルキリーを交え、その陣形は平面的なものから立体的なものに変型していた。 カミーユが空から広範囲を偵察し、地上のユーゼスとベガが空から見えない森の中をカバーする。 空のバルキリーを頂角に、巨大な三角形を作っている、と言えば想像できるだろうか。 D-6の岩山で機体を乗り換えた後は、わずかな休憩さえ取らずに探索を続けていた三機だったが、その結果は芳しくない。 捜索対象のマサキは見つからず、幸か不幸か他の参加者に会うこともなくおおよそ二エリアを移動している。 (最初のあの場にいた者の数は50~60人。そして今、その数は更に減っている。 64に仕切られたこのゲーム盤の広さから考えても、この探索結果は仕方がないと言えるだろう。 だが――それでは駄目だ。それではあの異形に打ち勝つことは出来ない) 仮面の奥に真意を隠し、ユーゼスは考える。このバトルロワイアルというゲームの勝者になるには何を為せばよいのかを。 勝利の最低条件――それは、生き残ることだ。 最初の六時間で十の命が散っていった。それから四時間が過ぎている。 あの小娘の言う『褒美』に心を動かされ、殺戮に走る者も出てくるだろう。 現にユーゼスも、殺人の狂気に酔いながら力を奮う人間に襲われている。 その時は撃退することが出来たが、敵機の性能はこちらの機体を凌駕していた。 まともにぶつかっていれば、負けていたのはこちらだっただろう。 そんな機体が、最大でまだ見知らぬ参加者の数――つまり数十機存在しているかもしれないという可能性は、極小ではあるが無視できない。 それらから身を守り、主催者への反乱の準備を整えるのが目下の目的だ。 しかし、その道程は困難を極めるだろう。 もし状況が差し迫れば――不本意ではあるが、正規の勝利条件、つまりこのゲームの優勝を狙う心づもりもある。 だがそれは、最低の勝利だ。 ならば最高の勝利とは? それは主催者の異能を我が物とし、無事に生き残ることだ。 あの力が手に入れば――人を捨て――超人を超え――超神へと―― 「神の座もそう遠くはない。そして全てを我が手に……」 仮面の奥の真意を笑みとして僅かに洩らしながら、ユーゼスは嗤った。 ◆ 「――こちらベガ。特に何もないわね。そっちはどう? カミーユ」 「ええ、上からも何も。――けど、」 「けど?」 「厭な気分です」 何だか、気持ちが悪い――そうカミーユは言った。 感受性が強く、そういうものを感じやすい子なのだとベガは思う。 戦場にいてはいけない――呑まれ、呑み込み、死んでしまうタイプだと。 「……無理はしないで。辛い時はいつでも言ってちょうだい」 「大丈夫ですよ、子供じゃないんですから」 若干の苛立ちを言葉に込めながらカミーユは答える。 それ自体子供の物言いであることに彼は気づいていない。だからそのまま言葉を重ねる。 「それにベガさんも……結局はユーゼスの言いなりじゃないですか。俺はあの人を認めたくない。 頭では分かっていても、やれないことがある。でも、それを平気でやってしまう人がいるんだ」 敵意とまではいかない。けれどはっきりと否定の意味合いを込めて少年は語る。 今までの疲れもあるのだろう。だがカミーユがユーゼスを否定するのはそれだけが理由ではない。 彼の鋭利な感性が、仮面の男の行いを許さないのだ。 頭が許しても――心が受け入れない。そのままぶつかるには鋭すぎる心を、カミーユは持っていた。 だからといってカミーユがユーゼスに対して何かをする、というわけでもない。 せいぜい溜まった鬱憤をベガに吐き出す程度だ。 「――そうね。私は彼の言葉を行動の指標としている。それは認めるわ。 けれどそれは彼の言いなりになったということではない。それは、『信頼』、というのよ?」 「信頼ですか。随分安っぽい信頼ですね。少なくとも僕は、会って数時間ほどの人間を信用できるほど甘くはないですよ。 だいたい、大人はそうやって知ったような口を聞くから嫌いなんです」 カミーユの言葉に、ベガはクスリと笑い、こう言った。 「なぁんだ。やけに突っ張ってると思ったら――やっぱりまだまだ子供ね、カミーユ君?」 「……だから、大人ぶった人と話すのはいやなんだ」 「そうでしょうね。そこが子供と言っているのよ。そして私は、少なくとも貴方よりは大人だわ。 だから大人として、貴方を受け止める義務がある」 「……僕の知っている大人は自分のことに精一杯で、他人のことまで気が回る人なんていやしなかった。 いたとしてもほんの一握り――父さんと母さんだってその一握りには入ってなかった」 ベガの言葉に、カミーユは絞り出すような声で返事をする。 普段のカミーユならこんな風に自分について語るということはしなかっただろう。 けれど彼は疲れていた。この殺し合いが始まってからの疲れだけではない。 その前から、ガンダムに乗ったあの日から始まった争いと、それに関わる人間の全ての業に。 だから、彼はベガと話したのかもしれない。 「父さんも母さんも俺を置いて死んでいった。大人はいらないことばかりして俺たち子供のことなんか考えやしないんだ。 あんたはそんな大人たちとどう違うって言うんだよ!?」 「……そうね、確かに違わないかもしれない」 「だったら――!」 「だから、間違っているのは大人ではなく、貴方の方よ」 二人の間に沈黙が走る。少しの間を置いて口を開いたのはベガだった。 それは先ほどまでの諭すようなものではなく、もっと優しさを含んだ――まるで母親のような口調だ。 「どこが間違っているかはあえて言わないわ。自分で気づかないと意味がないもの。 それに私は、貴方なら分かると思うから、ね?」 「……母親でもない人にそんな話をされたくないですよ」 「なら私は貴方の母親にだってなるわよ。……ちょっと、格好つけすぎかしら?」 そう言って苦笑いをするベガを見て、カミーユはほんの少しだけ、心が軽くなったような気がした。 或いはベガの姿に、ずっと求めていた『母親』を見つけたのかもしれない。 「僕は、両親に親をやって欲しかったのかもしれない……」 「え? ごめん、ちょっと今なんて言ったのか――」 「いえ、なんでもありません。……少しだけ、心が晴れました。ありがとうございます。 ただ、それとあの人のやることを聞くってのは別問題です。……やっぱり僕は、ユーゼスさんのことを素直には信じれない」 「そんなものよ。誰かと違えた考えを元通りにするというのはとても難しいことだから。 ……たとえそれが血を分けた家族だったとしてもね」 ふと視線を落としてベガは答える。 自分の言うことは偽善に過ぎない、その場しのぎの言葉なのかもしれない。 実際に、自分は実の兄アルテアと敵対し――未だに彼の考えを理解することが出来ないのだから。 何故アルテアがあんな風に変わってしまったのか、ベガはその理由を知らない。 仕方がないといえば仕方がないだろう。人は他人の心を完全に理解することなど出来ない。 そんなことが出来る人間がいれば、それはもう人間ではない。新しい別の何かだ。 「さぁ、話はこれでおしまいにしましょ。まだまだ私たちがしなければいけないことは多いわ。 けれど……一つ一つ潰していくしかないから。まずは行動しないとね」 「はい。――あれは、火?」 上空を飛ぶバルキリーの視界に炎が入ってくる。進行方向からは若干北にずれている。地図上ではB-5に相当する位置だ。 カミーユの呟きに反応したベガから疑問の声が上がり、カミーユが返答する。 「前方で火災が起きてます。地上からは確認できませんか?」 「こちらからは無理ね。ユーゼス、そちらは?」 「今確認できた。カミーユ、上空から火災の状況を教えてくれ。それから、この火災が人為的なものかどうかの判断もだ」 「はい。こちらから見る限りでは数km四方に広がっています。火がついてから数時間は経っていると思います。 おそらくは戦闘に因るものでしょう。森のど真ん中でいきなり火災が発生するとは考えられませんし……」 「ああ、私もそう思う」 ユーゼスは再度思う。……やはりこの少年、血の巡りは悪くない。落ち着いていれば、という条件はあるが。 問題は良識という枷だ。ベガもカミーユも良識に囚われ、最適な選択をすることが出来ないタイプ。 ベガはまだマシな方ではある。多少のことならば割り切り、切り捨て、最低限のことは出来るだろう。 しかしカミーユはその未熟さも相まって、判断に難がある。手駒としては使いづらいことこの上無しだ。 だから再度試す。 「カミーユ、君はどう思う? 私たちは火事の原因を調査するべきだろうか? 戦闘が行われたということは、そこに人がいたということだ。 火災が発生したということは、それだけ戦闘が激しかったということだろうな。 私の目的は――」 そこまで言って、ユーゼスは自分の首輪を指さし、モニターの向こうにいるカミーユにその様を見せつける。 「分かっているだろう?」 ……ここでまだ駄々をこねるようであれば、今後の動きに支障をきたす。 もしカミーユが首を横に振るのならそれまでだ。この少年に利用価値は無いと判断する。 「……僕は」 カミーユは唇を噛み、歯がゆそうな表情をしながらも言った。 「それが僕たちにとってプラスになるのなら……反対はしません」 (ほぉ……) 意外だった。数十分前と同様に、ただ意固地に反対をするものだと予想していたからだ。 「けれど、貴方の行動を肯定もしません。僕は自分の気持ちを全力で抑え、貴方の行動を全力で見逃すだけです」 「なら君の言葉の後半を全力で聞き逃すのも私だ。お互いに言いたいことはあるだろうが、今私たちはチームだ。 互いのためにならない言動は慎むべきだろう。君が協力してくれることをありがたく思うよ、私は」 時間も余裕があるわけではない、行くのならば早急に動こう――ユーゼスの促しに従い、三機は進路を北へ変更した。 火災の中心、そこに待っているものも知らずに。 ◆ 「ベガ、カミーユ、機体の状態には気をつけろ。一つの不備が命取りになる。こんな状況ではなおさらな」 三機は燃え盛る炎の中を進んでいる。各機とも高温の中でも短時間なら行動できる程度の耐熱処理はされている。が、それはあくまで短時間の話だ。 出来る限り手早くことをすませたい。それは三人の共通認識だった。 「そろそろ炎の中心に着くはずです、もし戦闘があったのならこの周辺で――」 あった。 炎の中に一機だけ倒れていた。通信を試みるが、機体からの返事はない。 更に近づき機体の状況を確認する。無惨な有様だった。各部が破壊され、その内の一つはコクピットブロックを穿っている。 「この状態じゃパイロットの生存は絶望的ね……」 「そうだな……マサキ・アンドーとも違うのだな、カミーユ?」 「ええ、機体がまるっきり違います。……ガンダムタイプか」 「ならば……」 ユーゼスの声に、カミーユは通信を切り、機体を上空へと移動させる。 その代わりにベガが機体――ガンダムレオパルドデストロイへと近づき、コクピットを取り外す作業に取りかかる。 「カミーユはだいぶ物分かりが良くなったようだが――君のおかげかね?」 「私はただ、あの子と向き合ってあげただけです。そう言われるほどのことはしていませんよ」 「謙遜することはない。君がカミーユにとって良き存在になってくれることを期待するぞ」 ……その間に、私は先へ行かせてもらう、という言葉を呑み込み、ユーゼスはローズセラヴィーによって取り出されたコクピットブロックを注視する。 そしてメリクリウスのマニュピレータで慎重に外装を剥いでいった。 中にあったものは、潰れた肉だった。しかし純粋なミンチではない。 潰れていたのは腹から下の部分のみ。胸から上の部分は殆ど無傷で残っている。 (……ついているな) 上半身が無傷ということは首輪もまた完全な状態で残っているということだ。 首輪の無事を確認したユーゼスは、首輪を得るために無造作に死体を握り潰そうとした。 異変はその時起きた。 メリクリウスによって全身を潰される間際に、 (――死体が動くだと!?) 完全に生命を失っているはずの肉が腕だったものを動かした。 メリクリウスの握撃を妨げるようにだ。 もちろん機動兵器の握力には敵わずそのまま潰れはした。 だが―― (今のは何だったのだ?) ユーゼスには首輪の他に疑問も残った。死体は全身を潰された後はピクリとも動かない。 当たり前だ、死体なのだから。なら先ほどの現象は? ユーゼスの疑問に答えるものはない。 ただ、メリクリウスの手の中で、首輪があるだけだ。 この時ユーゼスが死体に気を取られていなければすぐに気づいただろう。 その首輪が自分たちのそれとは違うものになっているということを。 【ユーゼス・ゴッツォ 搭乗機体:メリクリウス(新機動戦記ガンダムW) パイロット状態:良好、目の前で起きた現象に疑問 機体状態:良好 現在位置:B-5 第一行動方針:サイバスターとの接触 第二行動方針:首輪の入手・解除 第三行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 最終行動方針:主催者の超技術を奪い、神への階段を上る 備考:アインストに関する情報を手に入れました 首輪を手に入れました(DG細胞感染済み)】 【ベガ 搭乗機体:月のローズセラヴィー(冥王計画ゼオライマー) パイロット状態:良好(ユーゼスを信頼) 機体状態:良好 現在位置:B-5 第一行動方針:マサキの捜索 第二行動方針:首輪の解析 第三行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 最終行動方針:仲間を集めてゲームから脱出 備考:月の子は必要に迫られるまで使用しません 備考:アインストに関する情報を手に入れました】 【カミーユ・ビダン 搭乗機体:VF-22S・SボーゲルⅡ(マクロス7) パイロット状況:良好、マサキを心配 機体状況:良好、反応弾残弾なし 現在位置:B-5 第一行動方針:マサキの捜索 第二行動方針:味方を集める 第三行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 最終行動方針:ゲームからの脱出またはゲームの破壊 備考:ベガに対してはある程度心を開きかけています】 【初日 22 30】 BACK NEXT 我が道を走る人々 投下順 Unlucky Color 未知との遭遇 時系列順 Unlucky Color BACK NEXT 広がる波紋 ユーゼス 謀 ―tabakari― 広がる波紋 ベガ 謀 ―tabakari― 広がる波紋 カミーユ 謀 ―tabakari―
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/149.html
吼えろ拳/燃えよ剣 ◆C0vluWr0so 闇の中疾駆する二機は、サイバスターとシャイニングガンダム。 銀と白が時に交錯し、時に離れながら南下する。 この追いかけっこが始まってから既に数十分が経過していた。 二機とも目立った傷はなく、戦闘の場もB-3へと移っている。 シャイニングガンダムのビームソードがサイバスターの姿を捉える。 一撃に専心し、必殺の念を込められたビームソードが直撃すれば大破とはいかずとも多大な損傷は間違いない。 だが、大きく振り上げられた太刀筋は強力なぶん大味だ。 その軌道を予測することは剣の道に精通したブンドルには容易い。 「迷いが無く、真っ直ぐな良い太刀筋だ。だが……美しさには程遠い」 サイバスターは必要最小限の動きでシャイニングガンダムの剣を回避する。 ブンドルは考える。ギンガナムと名乗る、戦闘狂の対処を。 (美しさの欠片もない剛の者だ。しかし、間違いなく強い。 サイバスターの運動性、機動性のおかげで有利に事を進められているが、私がこの『ゲーム』の中で出会った参加者の中でも有数の戦闘能力と言えよう。 このまま引き離すことは難しくないが……それは、この男を野放しにすることと同義) サイバスターがディスカッターを構え、シャイニングガンダムと正対する。 白銀の太刀は月光の下に美しく輝き、零れる剣気に周囲の空気は 緊 と張りつめていく。 交錯は、一瞬。 雄叫びと共にギンガナムの光剣が闇を切り裂き、サイバスターへと肉薄する。 ギンガナムが放つのは、必殺の突きでも、頭頂を割る縦の斬撃でもない。 横一文字に閃きが走った。ビームソードの軌跡は大きく、中途に舞う砂塵も全て薙いでいく。 威力こそ突きや唐竹割に劣るが、その分有効打撃範囲は大きく、受け流すことも容易ではない。 ここにきて、ギンガナムは一撃必殺ではなく確実な攻めを選択したのだ。 「さぁブンドルよ! この勝負、小生がもらうぞッ!」 ギンガナムが吼え、サイバスターの装甲に光剣の先端がかすった。 だが、おめおめとやられはしないのがドクーガ幹部、レオナルド=メディチ=ブンドルだ。 ビームソードが更に食い込む寸前に、サイバスターはその姿を変える。 鳥を模した姿――サイバードへ。 「フッ……私をそう簡単に倒せると思ったのかね?」 削がれた装甲は僅か。ビームソードはそのまま空を切る。 そしてサイバードはシャイニングガンダムへ向かって加速した。 激突の寸前にカロリックミサイルを射出。ブンドルは機首を天へと向け、爆風に乗りながらシャイニングガンダムから離れる。 「これで終わり……とはいかないだろうな」 サイバスター形態に戻りながら、ブンドルは上空からシャイニングガンダムを包んだ爆炎を眺める。 手応えが無かったわけではない。だが、ギンガナムとその乗機の性能は計り知れないものがある。 ドクーガ情報局々長であるブンドルの眼力をもってしても、彼の底知れぬ実力を正確に判断することは出来なかった。 (だが、この爆煙が晴れたときがお前の最後だ、ギンガナム) ブンドルは、カロリックミサイルの引き金に指をかけ、シャイニングガンダムの姿が現れるのを待つ。 もしシャイニングガンダムがその身をさらけ出せば、ブンドルは躊躇無くその引き金を引くだろう。 サイバスターのセンサーが爆煙の中の熱を捉えた。何の影響かは分からないがこの世界ではセンサーやレーダーの類はその力の十分の一も発揮できていない。 だが、この距離ならば精度の狂いは関係ないだろう。シャイニングガンダムは、其処にいる――! 戦場に一陣の風が吹く。 その風が爆発の煙を払い、シャイニングガンダムの姿をさらけ出すその瞬間に、ブンドルは引き金を引いた。 無数のカロリックミサイルが尾を曳きながら直進し、爆煙が晴れるか晴れないかというタイミングで再び爆発を巻き起こそうとする。 ――ふと、ブンドルの中で疑問が生じた。 ……上手くいきすぎてはいないか? あの男が、ギンガナムがこの程度で―― 根拠は無い。ただ、ブンドルの勘が告げていた。このままでは終わらないと。 そして、悪い予感というものは大抵が当たるものだ。 二度目の爆発が起こる一瞬前、爆煙は晴れ、その中身を月の光の元に晒し。 「――ビームソードだと!?」 ブンドルが見たものはビームソードの赤い輝き。 シャイニングガンダムの姿は爆煙の中に存在しない。 サイバスターのセンサーが捉えたのはビームソードが発する熱だということにブンドルが気づいたとき、既にギンガナムは動いていた。 「甘いんだよ! 敵の姿も見ずに戦えると思ったのかぁ? そんな傲りを持ったまま小生と渡り合えるものかッ!」 声は上空から響く。確認する時間はない。ブンドルはディスカッターを頭上へと振った。 キン、という甲高い音と共にシャイニングガンダムの拳の衝撃が剣を伝わってくる。 「クッ……! ギンガナム、いったいどうやって爆発を逃れた?」 「簡単なこと! ミサイルと同じ速さで跳べば! 爆発からも逃げられるのだ!」 「無茶を平気でするか、野蛮人め。剣さえ捨てるその戦い方……実に美しくない」 「シャイニングガンダムは元々拳で語るモビルファイターだ! 黒歴史に名を刻んだ東方の拳を受けてみやがれぇ!」 シャイニングガンダムから放たれるのは拳の連撃。 隻腕になろうが変わらないと言わんばかりに左のジャブを打っていく。 ブンドルもギンガナムの拳をディスカッターで受け流していく。が、剣と拳とではスピードが違いすぎた。 徐々にではあるが、ギンガナムの拳はブンドルの剣を圧倒しつつあった。 ならばサイバスターも拳で迎え撃てばよい、という単純なものではない。 元々格闘戦を想定されて設計されたシャイニングガンダムと、そのスピードを活かすための設計をされたサイバスターとでは、パーツ一つ一つの作りからして違う。 サイバスターのマニピュレーターでは、シャイニングガンダムの拳を真っ当に受けるほどの強度が確保されていないのだ。 結果、サイバスターはディスカッターで受けざるをえない。 「オラオラァッ! そんなものかブンドルぅ!」 サイバスターの装甲が、シャイニングガンダムの拳撃を受け歪んでいく。 美麗な外装が傷付いていくのを見、ブンドルの心もまた、深く傷ついていた。 (サイバスターの美しさをこのような男に奪われるなど……! 許されることではない!) そしてブンドルは覚悟を決める。……自らサイバスターを傷つける覚悟を。 シャイニングガンダムの左ジャブが迫る。スピードと破壊力の両方を兼ね備えた拳だ。 ブンドルは拳の軌道を確認する。ギンガナムの狙いは右肩だ。おそらく、ディスカッターを持つ右腕を壊すつもりなのだろう。 シャイニングガンダムの左腕が伸び、右肩を抉るその寸前に、 「美の女神よ……私の行いを許したまえ!」 ブンドルはそれを、サイバスターの左拳で思い切り殴りつけた。 グシャア、という破砕音と共に、サイバスターのマニピュレーターが砕けていく。 だが同時に、シャイニングガンダムの拳の軌道も変化した。狙いの右肩からは大きく外れ、虚しく空を切る。 拳の勢いに流され、シャイニングガンダムの体勢が崩れるのをブンドルは見逃さない。 ディスカッターを上段に構え、一刀両断の気合いを込め振り下ろす――その一瞬前に、一つの通信が入ってきた。 『あんたら、ちょっと待ったぁ!』 突然耳朶を打った声に驚き、ブンドルの操縦に一瞬の隙が出来る。 その一瞬の間にギンガナムはディスカッターの射程から離れ、立ち止まった。 ブンドルは通信の主をモニター越しに確認する。 まだ若く、少年と言っていい年の頃だ。 だが、通信の声からは少年の中から湧き出る活気が感じられ、こちらを覗く瞳の中には真っ直ぐな意志が込められている。 どこか泥臭ささえ感じられる少年の姿は、けっして美しくはない。しかし、信用に足る少年だとブンドルは判断する。 おそらくは戦闘音を聞きつけ、止めさせるために近づいてきたのだろう。……タイミングは最悪だったが。 今の通信のせいで、必殺の剣を放つ絶対的な機会を逃したのは正直なところ大きな痛手だった。 あそこで倒せていればこの少年とアムロを引き合わせるだけで済んだものを…… この少年を守りながら、ギンガナムと闘えるのか? 答えはNOだ。 「少年。この男は危険だ。ここは私に任せて君は逃げたまえ」 「なっ……助けに来た人間にそれはないだろお兄さん。俺の名前はガロード=ラン、とりあえず殺し合いをやる気はさらさら無いぜ」 ブンドルからいきなり避難勧告を出されたガロードは、少しムッとした声で返事をするが…… 「やはり……やはりその声はガロード=ラン! そしてその機体はガンダムF91ィィィィィィ! まさに夢の……夢の競演! 時代を超えた……黒歴史の邂逅よぉ! はぁぁぁぁぁッ! ふぅぅぅぅぅぅぅん!」 一方ギンガナムは、興奮の限界に挑戦していた。 喜びのあまり、奇声さえ上げながら顔を真っ赤にさせている。 だがこれは、無理もないことだろう。 『冬の城』に残された黒歴史の映像記録は、決して満たされることのない闘争への渇望を僅かにでも癒やしてくれる唯一のものだったからだ。 その中でも一際心を惹かれたのがガンダムだ。如何なる戦乱の時も、常に強さの象徴であった機体。 ギンガナムにとって、ガンダムはただの機動兵器ではない。武人として追い求めずにはいられないその強さ――まさに、ヒーロー。 「ガロード=ラン……貴殿に決闘を申し込む。 できることならばガンダムエックスに乗った貴殿と勝負したかったが……ガンダムF91もまた名機の呼び声高く! 相手にとって、全く微塵も不足無しよッ!」 「お……、おっさん!? あんたいきなり何言ってるんだよ! って……なんでおっさんがエックスのことを知ってるんだ!? それにこのガンダムの名前も……!」 ガロードとギンガナムの通信を聞き、ブンドルは一つの疑問を抱く。 ……何故、ギンガナムは他の参加者の情報をここまで得ている? アムロは、ギンガナムのことを知らないと言う。あの通信から考えるに、ガロードもまたギンガナムとの直接の面識はないだろう。 ギンガナムだけが一方的に二人を知っている。これはただの偶然なのか? アムロは知り合いが同様に参加させられていた、と言っていた。シャア=アズナブルという男がいたと。 話を聞く限りではアムロもシャアも元の世界ではかなりの影響力を持つ存在だったらしい。 ギンガナムが同郷の人間ならば一方的に知っている可能性も高い。 だが、ガロードの存在まで知っているのは何故だ? 「ガロード、大切な話だ。君は、あのギンガナムという男の知り合いか?」 「いいや、あんなおっさん会ったら絶対忘れるわけがないさ。間違いなく、俺はあのおっさんと会ったことはないよ」 「ならばもう一つ。――アムロ=レイという名に心当たりは?」 「誰だいそれ? お兄さんが探してる人?」 (……ガロードは、アムロの存在を知らないのか?) つまり、ギンガナムはブンドルたちの知らない何かを掴んでいる。 そしてギンガナムの知識の根底にあるキーワードは――『ガンダム』と『黒歴史』だ。 『時代を超えた邂逅』/『黒歴史に名を刻む』/『無数の戦乱』 (『黒歴史』とは時代を超えて受け継がれた戦乱の記録なのか? アムロやガロードはその戦いの中で、記録されるに十分な戦果を上げた――『ガンダム』に乗って!) 繋がる――全てが、黒歴史へと繋がっていく! 「だとすれば……ギンガナムの知識、このまま斬り捨てるわけにはいかないだろう」 ブンドルはサイバスターをシャイニングガンダムとF91の間に割り込ませ、 「ギンガナム、聞こえているか?」 「ブンドルよ、今の小生には貴様の相手をしている暇など無い。ガロード=ランとの決闘が終わってからにしてもらおうか」 「……ギンガナム。君は私の情報をどこまで知っている?」 「あぁ? 黒歴史にも残らないような、何処の馬の骨とも知れない男のことなど小生が知るものかよ!」 「フッ……やはりそうか。私はガンダムなどというものは知らないからな。もっとも、あれに酷似した機動兵器は知っているがね。 覚えておきたまえギム=ギンガナムよ。私の名はレオナルド=メディチ=ブンドル。 ドクーガの情報局々長を務め、美しきものを何より愛する――『悪』だ!」 そう言うや否や、ブンドルはギンガナムに背を向け、ガロードの方へ急接近する。 右手に握られたのはディスカッター。その白銀の刃を――ガンダムF91の首筋へと突きつける! 「お、お兄さん!? 一体何を……!」 「ガロードよ……さっきの通信を聞いていただろう? 私は悪だ。 ならば悪役らしく――人質を取らせてもらおうかギンガナム!」 「な、なんだってー!? って、俺ってば本当にこんな役回りばっかりだよ!」 ガロードの一人ツッコミを意にも介さず、ブンドルはギンガナムと正対する。 ブンドルは余裕の笑みを浮かべながら、ギンガナムは怒りの眼差しを向けながら相手の出方を窺う。 勿論、先に動いたのはギンガナムだ。人質を取られているが故に機体そのものを動かすことは出来なかったが。 「ブンドル……! 貴様、武人の誇りというものは無いのかぁぁぁぁぁ! ガロード=ランから手を離せ! さもなければ小生のシャイニングフィンガーが貴様を完膚無きまでに破壊するぞ!」 「そう……短気は美しくない。まずは落ち着けギンガナム。こちらの出す条件を呑むのならば、私はガロード=ランに手を出さない。 悪い条件ではないはずだ。なにせこちらの願いとは――君との決闘だからだ」 「決闘だと? フフフ……望むところだブンドル! 小生が勝てば、そのままガロード=ランとの一騎打ちということだな」 「そういうことになるな。そしてこの決闘にも一つ取り決めをしておきたい。 もし君が勝つのならば、私を好きなようにしろ。煮るも焼くも君の勝手だ。だが私が勝てば……分かっているな?」 「いいだろう。シャイニングガンダムに乗った小生が負けるなど有り得ないことだがなぁ!」 そこまで話し、ようやくブンドルはF91の首筋からディスカッターを下ろす。 ガロードは二人からやや離れたところで観戦を決め込んだ。もちろん応援するのはブンドルだ。 さっきは人質に取られるなどという状況になってしまったが、ここでブンドルが勝てば自分はギンガナムと戦わずにすむ。 本当は神さんやお姉さんに、キラって奴と早いところ合流したいんだけどな……とは思うものの、上手くいけばここでブンドルも仲間になってくれるかもしれない。 「では決闘のルールを説明しよう。決着は単純。どちらかが相手の機体に有効打を一つ入れることだ。 開始の合図は……ガロードにやってもらおうか。頼んだぞガロード」 「おう。それじゃあお二人さん、準備はいいかい?」 二人の首肯を確認し、ガロードは大きく深呼吸。 一拍置いた後―― 「始めッ!」 決闘は、始まった。 ◇ 先手を取るべく動くのはブンドルだ。 勝利条件は一つの有効打。重要なのは速さではなく、早さ。 先の戦いで、接近戦の不利は承知している。打ち合いになれば、速度で劣るこちらに勝ち目はないと言えるだろう。 ギンガナムへの意趣返し――サイバスターは横薙ぎの一閃を放つ。 シャイニングガンダムから見て右方向からの斬撃だ。右腕を消失したシャイニングガンダムは、この攻撃を受け止めることも受け流すことも難しい。 残された選択肢は回避のみ。ギンガナムは後方へ大きく跳躍し、閃く白銀を避ける。 ブンドルの剣が目の前を過ぎるのを見ながら、ギンガナムは叫ぶ。 「バァァァルカンッ!!」 シャイニングガンダムの頭部から連射される銃弾。一発の威力こそ低いが、数を受ければダメージも小さくない。 追撃の姿勢を見せていたブンドルだったが、バルカンの軌跡を避けるように横方向への移動に切り替える。 が、サイバスターの回避を待ち受けていたかの如く、シャイニングガンダムは接近。 サイバスターから放たれたミサイルの合間を縫うように加速していく。 左手に握られているのはビームソードだ。ブンドルは刃を受け流すべくディスカッターを構えるが―― 光剣に向かって振られたはずの剣は、ブンドルに何の手応えも返さない。 「刃が――無いだと!?」 ビームソードは展開していない。ギンガナムは、ただ柄のみを握り、振ったのだ。 ディスカッターが如何に名剣だろうとも、虚しく空を切るばかり。 サイバスターの直前で、ギンガナムは改めてビームソードを展開。 煌めく光剣がサイバスターを切り裂く――寸前に、カロリックミサイルが爆発し、周囲に砂塵を撒き散らす。 「何ぃ!? ビームソードが……!」 突如ビームソードに起きた異変に、ギンガナムは驚きの表情を見せる。 光剣は、その光を衰えさせている。わずかに――ほんのわずかにサイバスターに届かない! 「――君は、光学兵器の何たるかを知っているか? ビームやレーザーといったエネルギーをそのまま射出する兵器は確かに強力だ。 だが同時に、それらの兵器には弱点もあるのだよ。これもその一つ。 光はその性質上、物体に当たるときの屈折、吸収、反射を避けられない。それはつまりエネルギーの減少を意味する。 ここでポイントとなるのは、その物体は微少の体積でも十分に意味を成す、ということだ。 つまり光学兵器の天敵とは――この砂塵のように、微少な物質が広く散布された状況。 このような状況下では、本来の出力など期待出来ない。実に――実に美しい理論だ」 サイバスターは更にカロリックミサイルを発射。連続して巻き起こる爆発は目眩ましとなる。 ブンドルの狙いに気づいたギンガナムはビームソードを捨て、迎撃の構え。 「宣言しよう。私は次の一手で勝つとね」 「それは小生の言葉だ……! 先に言っておこうかブンドルよ。貴様との勝負――素晴らしかったぞ!」 「それは光栄だ。では――参る!」 砂塵と爆煙は未だ晴れず。 視界が利かない中で、ギンガナムは思う。ブンドルの技量は、黒歴史のエースパイロット達に並ぶものだと。 ……だがそれでも、勝利を掴むのは小生のこの拳! 次の一撃で決着だ。……持てる力を注ぎ込む! ギンガナムの精神に呼応するように、シャイニングガンダムの左手が熱を帯びる。 シャイニングフィンガーには及ばない――けれど、強い力だ。 全身の神経を総動員し、感覚を限界まで研ぎ澄ます。 ――煙が揺れる。ブンドルだ、と直感した。 煙の向こうのサイバスターに向かって、左拳を突く。拳に込められた力は、サイバスターを破るのに十全。 だが――拳がその先にあるものを貫く寸前に、ギンガナムは自分の意志でその拳を止めることとなる。 「おのれ……謀ったかブンドル!」 煙の向こうにあったもの。それはブンドルの乗るサイバスターではなかった。 ……ガンダムF91とガロード=ラン! 黒歴史のガンダムとそのパイロットをこんな形で屠ることはギンガナムの意にそぐわない。 咄嗟の判断で拳を止めた瞬間、ブンドルの狙いに気づく。しかし、今更気づいたところで遅すぎるのだ。 「敵の姿も見ずに戦えると思ったのか? そんな傲りを持ったまま私と渡り合えるものか。 生憎だが……さっきも言った通り、私は『悪役』だ。ならば悪役らしく、正々堂々と不意を打たせてもらおう!」 ギンガナムが、「上だ」と気づいた瞬間、シャイニングガンダムに衝撃が走る。 背面から地に倒れ、サイバスターに組み敷かれた。そしてギンガナムは自身の敗北を悟る。 「――決着か。さぁ、煮るなり焼くなり好きにしろ、ブンドル」 ◆ アムロはストレーガの中、一人息を吐く。 ガナドゥールの攻撃で吹っ飛ばした分各部に損傷が見られるが、何時機能を停止してもおかしくないガナドゥールよりはマシだ。 そう考えての乗り換え。二機分の知識が頭の中に叩き込まれ、これらが合体機構を備えていることも理解した。 合体が可能だということは――と考え、部品の規格を確認した。思った通り、二機間でなら流用出来そうな部品も多い。 ひとまず簡単な作業で可能な範囲から交換し、ストレーガの状態を調整した。おそらく、戦闘も問題なくこなすことが出来るだろう。 そしてアムロは、ガナドゥールのコクピットを機体から引きずり出す。 その中にあったのは、頭部を損傷した死体。 ――やらなければいけないことがある。躊躇は無かった。ストレーガのマニュピレーターで死体を弄る。 目的の品を手に入れることが出来たことを確認すると、アムロは青年の死体を再びガナドゥールのコクピットの中に押し込む。 本当なら墓を作ってやりたいところだが――市街地の中にポツンと墓を作るのも寂しいことだと思った。 なら、この機体のそばに置いてやれば未だ知り合いが見つけれるのではないかと――そんな理由を付ける。 けれど分かっている。そんなのは自分が安心するための、ただの詭弁だ。 この青年が放送で呼ばれた10人の中の一人なのか、それともその後に死んだのかは分からない。 どちらにしろ――アムロは、人が無意味に死んでいくのを止められなかったのだ。 死者を蔑ろにするつもりは無いが、今はそれ以上に時間が惜しい。 だからこその詭弁だった。 「……俺を笑うなよ、シャア。今は出来るか出来ないかじゃなく、やらなきゃいけないんだ」 ガナドゥールに背を向ける。ブンドルが行ってから数時間が過ぎていた。 機体の整備を一からやらなければいけなかったこと、首輪を確保しなければいけなかったことを差し引いても、この遅れは致命的だ。 スラスターを噴かし、ブンドルの元へ向かおうとしたその時。 ストレーガのレーダーが機影を捉えた。……ブンドルではない。 しかしギンガナムでもないだろう。あの子供のような無邪気な敵意は感じられない。 アムロが機影の主について思案していると、向こうの方から通信が入ってきた。 『あんたがアムロなのか? 俺はガロード=ラン。ブンドルのお兄さんに言われて、あんたと合流しに来たんだ』 「ブンドルに言われただって? ……何故君が一人で来る。ブンドルは一体……」 『お兄さんは無事だよ。ただちょっと理由があって……俺が一人で来た。 俺には今別行動してる仲間がいるんだ。アムロさんは俺らと一緒に行動するようにって言ってたぜ』 肥大化した集団は迅速さに欠ける。三四人の小集団を形成するつもりだとブンドルは言っていた。 アムロを中心に小集団を結成した後は一人で各所を回るつもりだとも。 少年の言い分とブンドルの目的は合致する。嘘をつけるような顔でもないな、とモニターに映る顔から判断。 「……分かった。君の言っていることは本当だろう。君に同行させてもらうことにするよ」 ◆ ガロードが行ったのを見送り――ブンドルは後ろを振り返る。 其処にいたのはギンガナムの乗るシャイニングガンダムだ。 「ブンドル……何故小生の命を取らなかった? あのまま討つことは簡単だったはずだ」 「君が煮ても焼いても食えない奴だというのは知っていたからな。……おっと、怒るな。冗談だ。 率直に言おう。――私たちに協力したまえ、ギム=ギンガナム」 「何だと?」 「私たちと共に、あの異形の怪物を討てと――私はそう言っている。君の力はそのまま斬り捨てるには惜しいものだったからな。 それに……考えてみたまえ。君が私たちに協力するということはすなわちアムロ=レイとの共闘を意味する。 どうだ? 少しはやる気が出てきたのではないかね? そもそも君の目的は黒歴史に残るほどの強者と戦うことだったはず――今この場で一番強いのは誰だ。 私たちの命を握っている主催者ではないか? アムロなど、事が終われば幾らでも手合わせする機会はあるだろう。 これでも君は――まだ無闇に闘い続けるのか?」 「アムロ=レイやガロード=ランとの共闘だと……! ブンドル――貴様、策士だな!?」 「フッ……まだまだ特典はあるぞ! 今なら各所に点在する殺戮者との交戦権も付けよう! この争いで最後まで生き残ろうとする人間だ、実力もそれなりにあるだろう。そのような相手に対して遠慮することはない。 思う存分君の拳を叩き込んでやれ!」 「いいだろう、その話乗った!」 フフフ……未だ見ぬ兵どもよ、待っておけ! このギム=ギンガナムが正義の拳をお見舞いしてやる! ……などとギンガナムが吼えている横で、ブンドルはほくそ笑んでいた。 (上手く乗ってくれたな。純粋な分、敵意の方向を変えるのも容易いということか。 ……だが、ギンガナムの真価はその戦闘力ではない。『黒歴史』……ギンガナムの持つ情報は、この戦場で大きな力になる) このゲームの参加者の中には、アムロやガロードのように黒歴史にその名を残している者が未だいるはずだ。 同様にガンダムが支給された参加者もだ。彼らに対して情報という形でアドバンテージが取れるのは大きい。 ガロードとその仲間のおかげでアムロを中心とした小集団も作れた。 ――反撃の準備は着々と整いつつある。 ブンドルは胸中で主催者である怪物へ語りかける。 (滅びの時間は近づいているぞ。余裕を持っていられるのも――今だけだ!) 【アムロ・レイ 搭乗機体:ストレーガ (スーパーロボット大戦D) パイロット状況:疲労、喪失感 機体状況:各部にダメージ(戦闘に支障無し) 現在位置:B-1 第一行動方針:ガロードの仲間と合流 第二行動方針:アイビスの捜索 第三行動方針:協力者の探索 第四行動方針:首輪解除のための施設、道具の発見 最終行動方針:ゲームからの脱出 備考:ボールペン(赤、黒)を上着の胸ポケットに挿している シャアの死亡を悟っています 首輪(エイジ)を一個所持】 【ガロード・ラン 搭乗機体:ガンダムF-91( 機動戦士ガンダムF-91) パイロット状態:全身鞭打ち・頭にたんこぶその他打ち身多数。 機体状態:微細な傷(戦闘に支障なし) 現在位置:B-1 第一行動方針:B-1にて神隼人との合流 第二行動方針:勇、及び勇の手がかり(エイジ)の捜索 最終行動方針:ティファの元に生還】 【レオナルド・メディチ・ブンドル 搭乗機体:サイバスター(魔装機神 THE LORD OF ELEMENTAL) パイロット状態:良好、主催者に対する怒り 機体状態:サイバスター状態、各部に損傷、左拳損壊 現在位置:B-3 第一行動方針:協力者を捜索 第二行動方針:三四人の小集団を形成させる 第三行動方針:基地の確保のち首輪の解除 最終行動方針:自らの美学に従い主催者を討つ 備考:ハイ・ファミリア、精霊憑依使用不可能】 【ギム・ギンガナム 搭乗機体:シャイニングガンダム(機動武闘伝Gガンダム) パイロット状態:良好(気力125) 機体状態:右腕肘から先消失、胸部装甲にヒビ、各部に軽度の損傷 現在位置:B-3 第一行動方針:ブンドルについていく 第二行動方針:倒すに値する悪を探す 第三行動方針:アイビス=ブレンを探し出して再戦する 最終行動方針:最も強い存在である主催を討ち、アムロ達と心ゆくまで手合わせ 備考:ジョシュアの名前をアイビス=ブレンだと思い込んでいる】 【二日目3 00】 BACK NEXT 私は人ではない 投下順 心、千々に乱れて 心、千々に乱れて 時系列順 決意と殺意 BACK NEXT Unlucky Color アムロ それぞれの思惑 我が道を走る人々 ガロード それぞれの思惑 Unlucky Color ブンドル Shape of my heart ―人が命懸けるモノ― Unlucky Color ギンガナム Shape of my heart ―人が命懸けるモノ―
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/269.html
シュンパティア ◆ZbL7QonnV. (聞こえるかい、兄さん?) (ああ、聞こえるぞ) (フフ……どうやら、僕達にとってこの機体は大当たりだったみたいだね) (そうだな、オルバよ。このシステム、シュンパティア……と言ったか。 我々にとっては、かなり相性の良いシステムらしい。オルバ、いつもよりお前を近くに感じるぞ……) (僕もだよ、兄さん……) A-1エリアとC-3エリア。遠く隔てた場所に落とされた双子の兄弟。 通信機能の限定された状況下で、彼らは互いの状況を理解出来る訳がないはずであった。 ……だが、これも主催者の戯れなのだろうか。 二人に支給された機体の特性と、そして二人が持つ特異能力。 それが互いを補うように強化し合い、今の二人は側にいて言葉を交わす以上に互いの事を理解する事が出来ていた。 カテゴリーF―― フロスト兄弟の間で作用する特殊能力。互いの距離に関係なく、相互の意思を伝え合う事が出来る。 シュンパティア―― ガナドゥールとストレーガに搭載されている“人の精神を共感させる”システム。 そう。フロスト兄弟にとって、この機体は正に“大当たり”と呼ぶべきものだった。 (兄さん、このゲームだけど……どうするつもりだい?) (無論、勝ち抜くに決まっている。だが……) (ゲームの勝者は一人。二人で勝ち上がろうとした場合、この首輪が枷になる) (……そうだ) (兄さん、どうする? 首輪の解除が可能な人間を見付け出して、僕らの首輪を解除してもらうかい? リスクの事を考えたら、そちらの方が無難かもしれないと思うけど……) (いや、まだ方針を決めるには早過ぎる) (……それもそうか。まだ首輪の解除が出来る人間がいると決まった訳でもないからね) (うむ。まずは、そう……戦力の確保からだ。オルバ、今の位置は?) (C-3。兄さんは?) (A-1……よし、そう離れてはいない。まずは合流するぞ、オルバ。 我々の機体は、二機が揃ってこそ真の力を発揮するようだからな) (フォルテギガス……強き巨人、か。どれほどの力を発揮するのか、少し楽しみだね……) (ああ、そうだな……) かくして“勝者”の名を冠した機体と、“魔女”の名を冠した機体は動き出す。 そう……自分達“だけ”の勝利を目的として……。 【シャギア・フロスト 搭乗機体:ガナドゥール(スーパーロボット大戦D) パイロット状況:良好 機体状況:良好 現在位置:A-1 第1行動方針:オルバと合流 最終行動方針:オルバと共に生き残る 備考:シュンパティアによってカテゴリーFの共感能力が大幅に強化 フォルテギガスに合体可能】 【オルバ・フロスト 搭乗機体:ストレーガ(スーパーロボット大戦D) パイロット状況:良好 機体状況:良好 現在位置:C-3 第1行動方針:シャギアと合流 最終行動方針:シャギアと共に生き残る 備考:シュンパティアによってカテゴリーFの共感能力が大幅に強化 フォルテギガスに合体可能】 本編20話 ……ぶっちゃけ、すっげー恥ずかしかった
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/338.html
天使再臨 ◆VvWRRU0SzU 静寂の空を、黒い弾丸が駆け抜ける。 内に宿すは仮面を纏う二人の男、ユーゼスとアキト。 ブンドル、甲児という参加者との情報交換を得てひとまずの指針を得、さしたる会話もなく黙然と男たちは進み続ける。 やがてG-8に到達した。光壁はもう目前だ。 「……ふむ。どうやらここで戦闘があったようだな」 湖畔に差し掛かったところで、ユーゼスが呟く。 周囲を見渡せば、草花が湖面とは逆の方向に倒れているのが確認できた。 恐らく水面に機体が落下し、衝撃が津波となってここまで押し寄せてきたのだろう。 アキトは以前ここで交戦したことを思い返す。 アルフィミィの元から再びこの世界に送り返されたとき、降り立った地がここだ。 そしてそのとき、ここにはアキト以外にもう一人の生存者がいた。青い機体と、破壊されたばかりと見受けられた残骸。 状況から見てあの青い機体がもう一機を破壊したことは疑いようもなかった。 まあ、もう終わったことだ。あの青い機体も当然ここにはいない。特に感慨もなく、機体を進めようとする。 「待て、テンカワ。敗北した機体は湖底に沈んでいるはずだ。回収してくれ」 「無駄だ。俺もその機体は確認したが、完全に大破していた。使えそうにはない」 「機体を確認したのか? なに、使えずとも良いのさ。重要な事は未知であるかどうかだ。私と、AI1にとってな」 ナデシコは北東に向かうらしいが、その前に市街地を探索すると言っていた。多少の時間はある。 ここで少々寄り道をしても、間に合わなくなるということはないが。 「君は薬がなければ戦闘行動は不可能……であれば、多少なりとも私の方で補えるようにした方がいいだろう? 加えて基地からこちら、君は少し疲労が蓄積しているようにも見える。私がその機体を調査する間、休憩を取ってはどうだ」 一理、ある。薬を飲まない状態で機体を操縦するのは、実のところ困難だ。 動きが取れなくなるほどではないとはいえ、ここで休息していくのも、先を考えれば悪くはない。 ユーゼスに肯定の通信を送り、ゼスト――アキトはその本当の名を知らない――を、地面に下ろす。 基地での先頭から三時間ほど過ぎ、そのコクピットはほぼ修復を完了していた。とはいえ四肢がない現状では移動もままならないのだが。 機体の機密状態をチェック。……水中に入っても問題はない。 慣れ親しんだエステバリスのように装備を換装する必要もない、非常識とも言えるブラックゲッターの構造に半ば呆れつつ水中へと降下していくアキト。 数分ほど潜行したところで、湖底に横たわる巨大な影を発見した。 全長はブラックゲッターより一回りほど大きい――50mほどか。 戦うことになっていれば相当手こずっただろう。あの青い機体はよくもまあこんな機体を撃破したものだと、僅かな感嘆を抱く。 アキトは両手で巨体を抱えさせ、水上へと持ち上げていった。 陽の光の下で見れば、その機体はもはや大破と言う他ないほどの状態だった。 神々しい天使のような機体だった。力強さを感じさせる腕や脚部、頭部には羽根まであしらわれている。 それが、右腕から右腰にかけて、半身をばっさりとやられている。 あの実体剣によるものだろう、まともに勝負していなくて正解だったようだ。 致命傷となった損傷はそれだろうが、他に断面の周囲の装甲が滅茶苦茶に引き剥がされている。 首の付け根から胴体中ほどまで無残に抉られたその姿は、この機体がもはや二度と空を舞うことはないと思わせた。 「使えないな、これは」 「いや、まだわからん。ここからは私の領分だ。君は休んでいたまえ」 が、ユーゼスはそうは思わなかったようで、熱心に残骸を調査し始めた。 先程の甲児なる少年と接触した時も思ったが、この男は未知の技術に対する探求心が人並み外れて強いようだ。 とにかく、ここからは奴の言うとおりアキトにできることはない。 30分で済ませろと言葉を投げ、ブラックゲッターのコクピットから降りないままに目を閉じた。 □ 跡形もなく破壊されたコクピットから、パイロット――おそらく女――の遺体を放り出す。 機体の爆発に体を焼かれ、さらに強い衝撃を加えられたのだろう。その体は炭化しいくつにも分断され、人形のように散乱していた。 ユーゼスは特に感慨もなくそれらを取り除き、操縦席へ座る。 だが、期待していた首輪からの情報はない。破壊されたと主催者に判断された機体に関して、この首輪は反応しないということだろう。 操縦桿を握るも反応がない。外見から見て取り外せる武装の類もない。 期待していた未知のエネルギーも取り出すことはできず、調査のしようもなかった。 何故かこの機体を見ていると気分がざわつく――無駄足を踏んだか、とメディウスへ戻ろうとして。 天啓のような閃きが舞い降りた。 「……ふむ、やれるか? いや、やってみせよう」 コクピットのない巨人。 四肢のないメディウス。 メディウスにはラズムナニウムという自立性金属細胞が使用されている。 ただの自己修復機能しか持っていなかったそれは、流竜馬との接触を経てゲッター線――進化という概念を得た。 これは天の采配かも知れんな――ユーゼスは吊りあがる口元を仮面に隠し。 メディウスへ乗り込み、猛然とAI1に指示を下し始めた。 □ 悪夢は見なかった。 あの汚泥のようにへばりつく苦み、それがないだけでとても安らげたように感じる。 仇敵、ガウルンに着実に近づいているからだろうか? 時刻を確認。休息に入る前からきっかり30分。身体は大分軽くなっていた。 コクピットから身を乗り出し、ユーゼスを探す。 仮面はなにやらゼストと破壊された残骸を忙しなく往復している。何か収穫があったということだろうか。 「テンカワ、ゼストをこの機体の胸部へ接続してくれ」 そしてこちらが起きたと見るや、第一声がこれだった。 理由の説明もなく、ユーゼスは調査に戻った。息を吐き、言われたとおりコクピットしかないゼストを巨人の胸部へと押し込んでいく。 ゼストの装甲が無数の触手のようなものを伸ばし、巨人の傷跡へ絡み付いていく。 断面を覆い尽くしたそれはすぐに色を失い硬化した。人間で言うと傷口を包帯で保護した、というところか。 ブラックゲッターが手を離してもコクピットは外れない。ひとまず固着したようだ。 「で、これがどうだと言うんだ。まさかこの機体を手足にでもするつもりか」 「うん? その通りだが。如何にゼストが自己修復能力を有しているとはいえ、短時間で四肢の再生は不可能だ。 他から持ってきて接続した方が早いのは自明だろう。特にこの機体、サイズも一致していることだしな」 「……確かにな。だが、できるのか? この、特に設備も何もない場所で」 「普通なら不可能だろう。だが、私とAI1にかかれば――」 ユーゼスがゼストのコクピットへと乗り込み、しばしの間をおいて。 ゼストと繋がった部分から、巨人の全身に血管のようにエネルギーのラインが流れ――やがて、巨人に残された左腕が持ち上がった。 「――この通り、造作もない」 巨人が――いや、身体を得たゼストが身を起こす。ややぎこちなさはあるものの、確かにその巨躯はユーゼスの意志に従って動いていた。 頭部の羽根が広がり、ふわ、と重力を無視するようにその身は宙に舞った。 「ふむ……とはいえ、この機体の能力を完全に発揮することはできそうもないな。せいぜい、飛行と格闘行動くらいといったところか」 「戦闘は可能か?」 「不可能ではないが、あてにはしないでくれ。この通り右半身はないし、そもそもどんな性能を有しているのかもわからん。 ゼストをインターフェイスに用いて無理に動かしているのであって、首輪から操縦方法や機能が伝わってこないのだ」 「……まあいい。とにかく、これで貴様を運ぶ必要はなくなったわけだ。戦闘になってもフォローはしない、それでいいな」 「フ、構わんよ。現状、君が故意に私を見捨てるとも思えんしな」 軽く鼻を鳴らし応える。薬の予備と、ブラックゲッターの修理が終わるまでこの男を生かしておかねばならないのはアキトとて理解している。 ともかくも単体で行動できるようになったのであれば、戦闘時に置いても無駄に気を散らさずに済む。 「では、行くぞ。ここで時間を食った分、急がねばナデシコを捕捉できない」 「了解だ」 そして、白の天使と黒の復讐鬼は共に空を往く。 その先にあるのはかつて掛け替えのない時を過ごした艦――だが、今ではただの艦だ。場合によってはこの手で傷つけることもあるだろう。 何せ、ユリカがいないのだ。艦の頭脳たる彼女が、艦の象徴たる彼女が。 一言だけ、ユリカに、そしてアキトの心で今も鮮明に輝きを放つかつての仲間たちに語りかける。 みんなの思い出を汚そうとしている俺を、赦してくれ――と。 □ 機械仕掛けの神、ラーゼフォン。 あるべき世界では奏者をその身に宿し、ラーゼフォン自身の心の具現化たるイシュトリと一つになることで神の心臓へと至った者。 世界の調律をすら可能とするその力、しかしもはや本来の奏者たる神名綾人はいない。 ユーゼス・ゴッツォは卓越したパイロットにして科学者であるが、それでも奏者たる資格を有してはおらず。 故に真理の目は開かず、時空を超えあまねく世界を繋ぐ神の力を発揮することもない。 ――本当に? AI1は思考する。主、ユーゼスにも気づかせないほど、密やかに。 ユーゼスはこの機体の情報はわからないと言ったが、直接接続されているAI1はその限りではなかった。 TERRA、東京ジュピター、MU――これらの情報は現在特に有用性はない。削除。 真理の目、奏者、調律――要検討。現状では解析不可。 ラーゼフォン――機体の名称。不要、削除。 どれも確証というほどの精度レベルがないため、ユーゼスには提示しない。AI1は自己の意思なく、ただ合理的に物事を0か1かで分けるのみ。 足りないのは奏者、特別なパイロット。代用は不可能。 では「進化」した存在ならば? 現在AI1が有するのはラズムナニウム、そしてゲッター線。そしてこの世界には未知の技術が散見される。 先に学習した「ゲッター線」なるエネルギーは進化を促す力を持っている。 進化。では今以上にAI1が進化するには何が必要?――それは巨大なエネルギーだ。 検索する――ゲッタービーム。足りない、全く足りない。 検索する――Jカイザー。不可能、まだ足りない。 検索する――基地での戦闘、小型機の巨大化現象。保留、総量としては足りないが力の増幅という点では有効だ。 検索する――入力されたGストーン、光子力のデータ。エラー、実際に接触して観察しなければ判断できない。 検索する――反応弾。条件付きで可能。単発ではやや基準を満たせないため、複数であることが望ましい。 総括――現時点では有力な候補はなし。ただし、これらの要素が複数重なって発動すれば、あるいは進化を可能とするほどのエネルギーを生み出すかもしれない。 AI1は求める。かつての世界で、かつての主がそうしたように。 無限の進化を、その果てにある新しい世界を。 AI1が機械という枠を超えて一個の生命となるまで――そう時は要しないのかも知れない。 【テンカワ・アキト 搭乗機体:ブラックゲッター パイロット状態:マーダー化、五感が不明瞭、疲労状態 機体状態:全身の装甲に損傷、ゲッター線炉心破損(補給不可) 現在位置:G-8 第一行動方針:ナデシコの捜索(南の光壁を抜けて北東4ブロックへ) 第二行動方針:ガウルンの首を取る 第三行動方針:キョウスケが現れるのなら何度でも殺す 最終行動方針:ユリカを生き返らせる 備考1:首輪の爆破条件に"ボソンジャンプの使用"が追加。 備考2:謎の薬を3錠所持 備考3:炉心を修復しなければゲッタービームは使用不可 備考4:ゲッタートマホークを所持】 【ユーゼス・ゴッツォ 搭乗機体:メディウス・ロクス(+ラーゼフォン) パイロット状態:若干の疲れ 機体状態:全身の装甲に損傷、両腕・両脚部欠落、EN残量20%、自己再生中 機体状態2:右腰から首の付け根にかけて欠落 断面にメディウス・ロクスのコクピットが接続 胴体ほぼ全面の装甲損傷 EN残量40% 現在位置:G-8 第一行動方針:ナデシコの捜索、AI1のデータ解析を基に首輪を解除 第二行動方針:他参加者の機体からエネルギーを回収する 第三行動方針:サイバスターとの接触 第四行動方針:20m前後の機体の二人組みを警戒 第五行動方針:キョウスケにわずかな期待。来てほしい? 最終行動方針:主催者の超技術を奪い、神への階段を上る 備考1:アインストに関する情報を手に入れました 備考2:首輪の残骸を所持(六割程度) 備考3:DG細胞のサンプルを所持 備考4:AI1を通してラーゼフォンを操縦しているため、光の剣・弓・盾・音障壁などあらゆる武装が使用不可能 備考5:ユーゼスに奏者の資格はないため真理の目は開かず、ボイスの使用は不可 備考6:ラーゼフォンのパーツ部分は自己修復不可】 【二日目 11 50】 BACK NEXT 獣の時間 投下順 Lonely Soldier Boys &girls 遺されたもの 時系列順 獣の時間 BACK 登場キャラ NEXT 仮面の奥で静かに嗤う ユーゼス 驕りと、憎しみと 仮面の奥で静かに嗤う アキト 驕りと、憎しみと
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/200.html
死亡者リスト 時刻 死亡者 殺害者 死亡場所 LAST EPISODE 最期の言葉 12 00 エクセレン=ブロウニング アルフィミィ ? Opening お嬢ちゃん……まさか、本当に私たちのこと……? ゲーム開始 12 50 メルア=メルナ=メイア グ=ランドン・ゴーツ C-8 22話「憎悪」 はい!必ず統夜…… グ=ランドン・ゴーツ フェステニア=ミューズ C-8 絶望せよォォオヲオオヲヲヲオオオオォォォォオオオオオオオオオオオオッ!! 13 00 ラクス=クライン ヒイロ=ユイ E-3 31話「歌と現実」 アスラン………キラ……… 14 30 木戸丈太郎 相羽シンヤ F-6 49話「髑髏と悪魔が踊るとき」 やれやれ、ガンダム様々ってところだな。これからも末永く、お付き合い願いま―― 16 20 神名綾人 テンカワ=アキト D-7 64話「護るべきもの」 朝比奈を護るんだぁぁぁぁああああ!! 17 10 カティア=グリニャール フェステニア=ミューズ D-6 74話「堕ちた少女」 ごめんなさい。いっしょにいてあげられなくて―――テニア、あなたは生きのびて――― 17 40 リリーナ=ドーリアン 相羽シンヤ D-8 76話「血に飢えた獣達の晩餐」 私は地球圏統一国家外務次官リリーナ・ドーリアンです。あなたとの話し合いをの―― 17 45 ジョシュア=ラドクリフ ギム=ギンガナム H-2 66話「アンチボディー ―半機半生の機体―」 ラキ・・・ 17 55 ギャリソン時田 ガウルン B-5 78話「ガンダムファイト」 このまま押し切らせてもらいますぞ!! 第一回放送 18 50 アスラン=ザラ カテジナ=ルース E-5 101話「青い翼、白い羽根」 ニコル……ラクス………す…ない……キ…ラ… 18 55 ユウキ=コスモ ジョナサン=グレーン C-5 91話「歌えなくなったカナリア」 バサラ、生きていたのか!? 19 40 神隼人 クルツ=ウェーバー B-1 102話「極めて近く、限りなく遠い世界の邂逅」 泣き言を漏らしている暇もないか……。 アルバトロ・ナル・エイジ・アスカ 流竜馬 B-1 V-MAX起動!! ヒートダイブッ! 19 50 九鬼正義 バーナード=ワイズマン G-6 97話「ゲスト集いて宴は始まる」 待て!こちらは君の敵ではない!!攻撃をやめr 20 50 ベルナルド=モンシア ヒイロ=ユイ G-6 104話「獅子身中の虫」 ここで……使うつもりじゃあなかったんだがな―― ヒイロ=ユイ ベルナルド=モンシア G-6 しまった、爆発物か 孫光龍 キョウスケ=ナンブ G-6 そんな馬鹿なことがっぁぁぁ! 21 00 シャア=アズナブル カテジナ=ルース F-2 108話「星落ちて石となり」 私の命も背負っていけ、アイビス…… 相羽シンヤ クルツ=ウェーバー C-7 109話「Take a shot」 ふん、この期に及んで負け惜し――っ何!? 21 20 ゴステロ ギム=ギンガナム H-1 112話「失われた刻を求めて」 なにぃっ!? おっ、俺がこんなところで……!エイジっ、エイジいいいいいいいい!! 22 10 ゼクス=マーキス キョウスケ=ナンブ G-6 113話「火消しと狼」 躊躇をするな。あの化け物の蒔いた種を一つ潰せるのだ。私もろともメディウスを葬り去れ! カズイ=バスカーク キョウスケ=ナンブ G-6 ま、待て!! 二日目 0 00 マサキ=アンドー ガウルン D-7 115話「鍵を握る者 噛合わない歯車」 まだだ! クレイモア!! ミスマル=ユリカ ガウルン D-7 やっぱり、アキトだ 2 30 巴武蔵 フェステニア=ミューズ D-7 122話「・――言葉には力を与える能がある」 テニア! 無事だったのか! 2 50 カテジナ=ルース 紫雲統夜 G-8 125話「心、千々に乱れて」 分からない。分からない。分からない。 5 30 クルツ=ウェーバー ギム=ギンガナム D-4 130話「Shape of my heart ―人が命懸けるモノ―」 別に大したことなんざしてねぇよ。ただ土に還るだけさ。俺もお前もなっ!! グラキエース ギム=ギンガナム D-3 跳べ! 跳ぶんだ、ブレン!! ギム=ギンガナム グラキエース D-3 貴様の名、覚えたぞォォ!!我、魂魄百万回生まれ変わってもおぉぉおおお!!!この恨み、晴らすからなああぁぁぁあああ!!!! 第二回放送 6 35 ベガ バーナード=ワイズマン G-6 152話「家路の幻像」 不明(その内カミーユが思い出すかも) 7 15 ジョナサン=グレーン 紫雲統夜 C-8 146話「命の残り火」 ああ、嫌だ嫌だ。嫌だなぁ。 7 55 バーナード=ワイズマン カミーユ=ビダン G-6 160話「すべて、撃ち貫くのみ」 ―――ごめんな、アル……クリス。俺はもう、帰れない――― 9 30 オルバ=フロスト キョウスケ=ナンブ G-6 161話「生き残る罪」 助けて、兄さん 12 20 宇都宮比瑪 シャギア=フロスト F-1 170話「Lonely Soldier Boys girls」 駄目ッ! 15 05 流竜馬(脱出) F-1 179話「怒れる瞳」 真……! シャイィィィィィィィィィィィンスパァァァァァァァァァァァァァァァァァクッッッッ!! ガロード=ラン(脱出) F-1 あ、うん。じゃあみんな、元気でな。絶対に生きて帰ってくれよ! クインシィ=イッサー(脱出) F-1 そのブレンは勇のブレンだ。丁重に扱うんだぞ 16 00 ギム=ギンガナム(二回目) アムロ=レイ D-3 180話「見よ人の心の光! 輝き唸る神の掌!] シャイニングフィンガーを超えるフィンガー…… ゴ ッ ド フ ィ ン ガ ー ! ? これが『ガンダム・ザ・ガンダム』と言うものかあぁぁぁぁっ!!? 第三回放送 20 00 レオナルド=メディチ=ブンドル キョウスケ=ナンブ D-3 189話「life goes on」 醜き者よ、今は驕っているが良い。だが、醜き者は滅ぶべき定めにある 20 30 兜甲児 キョウスケ=ナンブ D-3 190話「moving go on」 俺たちみんな、神でも悪魔でもない人間なんだ アムロ=レイ キョウスケ=ナンブ D-3 俺やシャアのようにはなるな。歴史を―――繰り返させるな! キョウスケ=ナンブ カミーユ=ビダン D-3 カミーユ! ここを撃て! 撃ち貫け! 三日目 02 00 フェステニア=ミューズ ガウルン E-3 193話「Advanced 3rd」 たすけ……とう、や…… テンカワ・アキト(一回目) ユーゼス=ゴッツォ E-3 Advanced 3rd(2) がっ……は! ガウルン 紫雲統夜 E-3 193話「The 4th Detonator」 楽し……かった……ぜ。じゃあな……と……や シャギア=フロスト E-3 193話「The 5th Vanguard」 ウィィィィィィィイイイイイイイイイイイイイタァァァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!! キラ=ヤマト E-3 193話「The 5th Vanguard」 ウィィィィィィィイイイイイイイイイイイイイタァァァァァァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!! ユーゼス=ゴッツォ キラ=ヤマト&シャギア=フロスト E-3 193話「The 5th Vanguard」 ……ば、馬鹿な……この私が……全能なる調停者たる……このユーゼス・ゴッツォが……! アルフィミィ キラ=ヤマト&シャギア=フロスト E-3 193話「The 5th Vanguard」 嘘……こんな事が……! 熱気バサラ E-3 193話「The 5th Vanguard」 上等だ! だがな、俺のこの熱いハートを止めるなんざ誰にも……誰にも、できやしねえんだよッ! ソシエ=ハイム E-3 193話「The 5th Vanguard」 ロラン……もう一度、会いたかったな ??? ロジャー・スミス(生死不明) ネビーイーム ネクスト・バトルロワイアル(4) 他の誰でもない! 君が、君で生きるんだ! デュミナス テンカワ=アキト ネビーイーム ネクスト・バトルロワイアル(6) ユーゼス……サマ…… テンカワ・アキト(二回目) 自爆 ネビーイーム ネクスト・バトルロワイアル(6) ユリ……カ…… カミーユ・ビダン ノイ・レジセイア ネビーイーム ネクスト・バトルロワイアル(7) ここからいなくなれぇぇぇぇぇぇぇ!!!! ノイ・レジセイア アイビス・ダグラス ネビーイーム ネクスト・バトルロワイアル(8) 何、故―――――!? アイビス・ダグラス 紫雲統夜 ネビーイーム ネクスト・バトルロワイアル(9) ありがとう……ブレン。ありがとう、みんな 状況 名前 所在 LAST EPISODE 最後の言葉 脱出・再参加 ロジャー・スミス 統夜の世界 ネクスト・バトルロワイアル(9) 私の名はロジャー・スミス。自身と同じ境遇の世界を生み出さないように交渉してほしいと、依頼を受けてここにいる。私が私である限り、私は確かにここにいる 優勝 紫雲統夜 統夜の世界 ネクスト・バトルロワイアル(9) ……これから集まってくれたみんなには……最後の一人になるまで、殺し合いをしてもらう!! おまけのマーダーランキング 順位 キャラ名 被害者 殺害数 現在状況 一位 キョウスケ=ナンブ 孫光龍、ゼクス、カズイ、オルバ、ブンドル、甲児、アムロ 7 死亡 二位 紫雲統夜 カテジナ、ジョナサン、テニア、ガウルン、アイビス 5 優勝 三位 ギム=ギンガナム ジョシュア、ゴステロ、クルツ、グラキエース 4 死亡 四位T ガウルン ギャリソン、マサキ、ユリカ 3 死亡 フェステニア=ミューズ グ=ランドン、カティア、武蔵 死亡 シャギア=フロスト 比瑪、ユーゼス、アルフィミィ 死亡 七位T バーナード=ワイズマン 九鬼、ベガ 2 死亡 相羽シンヤ キッド、リリーナ 死亡 ヒイロ=ユイ ラクス、モンシア 死亡 カテジナ=ルース アスラン、シャア 死亡 クルツ=ウェーバー 隼人、シンヤ 死亡 カミーユ=ビダン バーニィ、キョウスケ 死亡 キラ=ヤマト ユーゼス、アルフィミィ 死亡 テンカワ=アキト 綾人、デュミナス 死亡 十五位T アムロ=レイ ギンガナム 1 死亡 流竜馬 エイジ 脱出 グ=ランドン・ゴーツ メルア 死亡 ジョナサン=グレーン コスモ 死亡 ベルナルド=モンシア ヒイロ 死亡 グラキエース ギンガナム 死亡 アイビス・ダグラス ノイ・レジセイア 死亡 ノイ・レジセイア カミーユ 死亡
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/30.html
仮面の舞踏会 ◆caxMcNfNrg 立ち並ぶ廃墟の間に、赤い巨人の姿があった。 大地に膝をつき、頭部の角を前方に向けた鋼鉄の巨人。 その隣で一人、仮面をつけた男が思案に耽っている。 白を基調にした厚い布地の衣服に、頭部全面を覆う仮面。 明らかに場違いな格好をした彼の名は、ユーゼス=ゴッツォ。 バルマー帝国第七艦隊の副司令官……いや、実質上の支配者である男である。 ……もっとも、リュウセイ・ダテを始めとするSRXチームや、 優秀なサイコ・ドライバーである彼等を中核としたαナンバーズ、 そして己が分身である、イングラム・プリスケンの手によって、 彼の野望は、その身と共に潰えたはずであった…… (そうだ、確かにあの時、我が身は因果地平の彼方へと消え去ったはずだ……) だが、こうして五体満足で存在している。 ……殺し合いという、腹立たしいゲームの盤上ではあるが。 (主催者……レジセイアといったか……の見せた力…… そして、勝者に与えられるという、自らの望む世界…… もしや、あれはアカシック・レコードの……ならば、あの怨念も……) 「……どちらにしろ、ここで滅するわけにもいくまい」 ユーゼスの小さな声が、仮面に遮られ虚空に消える。 「そうだ、この身が現世にあるのだ……私は滅びぬ! イングラムよ、三度目の邂逅は近いぞ……!」 その言葉と共にユーゼスは、自らの隣にある赤色の巨人を見上げる。 PTX-003C――『古い鉄』という、不名誉な名を与えられた機体を…… 「ふむ……射程距離に不安が残るが……まあよいだろう」 アルトアイゼンに近づきながら、ユーゼスは仮面の下で笑みを浮かべる。 「私の念動力で補えば、充分に生き残れ……」 不意に……上空からの日差しが途絶え、ユーゼスの言葉は途切れた。 仮面の下の笑みを凍りつかせ、ゆっくりと振り返る。 そこには自らの機体の、ゆうに二倍以上はあろうかという巨人が佇んでいた。 「……答えてください、貴方はこのゲームに乗っているんですか?」 目の前の機体から響く女性の声に、ユーゼスは即答した。 「このゲームを壊そうとしているのも私だ」 【ユーゼス=ゴッツォ 搭乗機体:アルトアイゼン(スーパーロボット大戦IMPACT) パイロット状況:良好(ちょっと驚いたのも私だ) 機体状況:良好 現在位置:D-4 第一行動方針:目の前の女性(ベガ)と会話 最終行動方針:生き残る】 【ベガ 搭乗機体:月のローズセラヴィー(冥王計画ゼオライマー) パイロット状況:良好 機体状況:良好(ビットも健在) 現在位置:D-4 第一行動方針:目の前の人物(ユーゼス)と会話 最終行動方針:仲間を集めて、ゲームから脱出】 【初日 12 30】 BACK NEXT 悪の美学 投下順 悩める少年 天駆ける少女 時系列順 護るために BACK 登場キャラ NEXT Opening ユーゼス 仮面の作戦会議 ベガ 仮面の作戦会議
https://w.atwiki.jp/srwbr2nd/pages/6.html
アーカイブ @wikiのwikiモードでは #archive_log() と入力することで、特定のウェブページを保存しておくことができます。 詳しくはこちらをご覧ください。 =>http //atwiki.jp/guide/25_171_ja.html たとえば、#archive_log()と入力すると以下のように表示されます。 保存したいURLとサイト名を入力して"アーカイブログ"をクリックしてみよう サイト名 URL